「薬指の長い」男性は、金融トレーダーとしての資質にかなり優れているようです。これは手相占いではなく、れっきとした科学的研究の結果です。先週、英国の名門ケンブリッジ大学の研究者が権威ある科学誌に発表しました。

 薬指が長めの男性は、リスクを厭わない傾向があり、素早い情報処理と意思決定、それを迅速に行動に移す反射能力に優れているようです。そして、これらの特性が役立つ世界で成功する可能性が高いようです。

「薬指の長い」人は
男性ホルモンの影響が大きい証

 これまでの研究から、人差し指に対する薬指の長さの比率は、母親の子宮内で、男性ホルモンの一種のテストステロンにどの程度さらされたかに関連することが示されています。この比率が大きいほど、つまり薬指が長いほど、胎児期に多量のテストステロンにさらされたことを示すと考えられています。

 この指比率は、通常、男性では1を超えて、女性では1未満となるそうです。つまり、男性は薬指の方が長く、女性は人差し指の方が長くなります。指の長さは指先から根元の関節までを測定します。

 テストステロンは胎児の脳の発達に強力に作用します。子宮内で高いレベルのテストステロンにさらされると、男性的で、強い警戒心または注意力と素早い反応、高い自信、リスクを好む行動、積極性または攻撃性、迅速な意思決定といった特性をもつ傾向があるといいます。

 そして、子宮内で露出したテストステロンのレベルは、人生を通して「行動特性」に影響し続けるようです。

 すでに、この指比率が大きいことは、テニスやサッカーのような競技性の高いスポーツにおける成功と関係することが報告されています。長い薬指が示唆する、視覚情報の素早い処理と優れた反射神経、攻撃性などが成功をもたらすのでしょう。

男性ホルモンが
「大きな利益」を生み出す?

 男性ホルモンそのもののレベルが、男性トレーダーの短期の収益性を予言することを、昨年、同じ研究チームが報告しています。

 男性トレーダーは、午前中の唾液で調べたテストテスロンのレベルが高いと、その日の収益が大きくなる傾向がありました。また、8日間の分析で、収益が平均より高い日はテストステロンのレベルが1日中かなり高くなることがわかりました。