バンダイナムコホールディングス社長 高須武男 昨年のクリスマス直前の土曜日に、日本玩具協会として初めて、大々的なイベントを行なった。12社の社長がそれぞれサンタの格好をして、銀座でクリスマスカードを配るというものだ。業界を挙げてムードを盛り上げる必要があると考えた。

 クリスマス商戦についてはまだ取りまとめの段階だが、残念なことに前年比2~3割の落ち込みになった小売りもあると聞く。

 皮肉なことだが、昨年11月に当社が子どもを持つ親を対象に行なったインターネット調査では、クリスマスプレゼントの平均予算は前年よりも0.9%多い7734円という結果だった。

 消費者の買い方も変わってきた。おもちゃを買うのも、値引きがない百貨店や専門店ではなく、家電量販店で貯めたポイントを使ってという消費者も多い。財布のひもはやはりきつくなっている。

 中間決算発表の時点で、2009年3月期の見通しを売上高が従来予想比6.4%減の4400億円、営業利益を同36.8%減の240億円に下方修正した。

 悲観ばかりしていない。ゲームなどエンターテインメント産業は、旅行などと比べて手頃なうえ、海外を中心に伸びる余地が大きい。今年はガンダム30周年も迎える。1000億円を超える手元資金を活用し、先手先手で投資をしていく方針だ。欧米のゲーム開発会社の買収など、さまざまな選択肢がある。

 世界でも例のないユニークなエンターテインメント企業という視点で、最適な戦略を練る。(談)


(聞き手:『週刊ダイヤモンド』編集部 大坪稚子)