【第38回】 2008年07月24日
ゴルフの精神を蔑ろにする日本ゴルフ界は、ノーマンの品格に学べ
グレッグ・ノーマンらしいと言えば、まさしく、“彼”らしい結果であった。
第137回全英オープンは、リバプール近郊のロイヤルバークデールGCで開催された。決勝ラウンド3日間を終えて、単独首位に立ったのは53歳のグレッグ・ノーマン。“最強ゴルファー”の復活に、往年のファンは熱狂した。時差の関係で、徹夜でテレビ(ゴルフチャンネル)の前に噛り付くことになった筆者もそのひとりである。
タイガー・ウッズ登場前のゴルフ界では、ノーマンこそが“世界最強”の称号を恣にしていた。アジアサーキット、欧州ツアー、そしてUSPGAツアーと、世界中のゴルフツアーで勇名を馳せ、1987年には、「世界ゴルフランキング」でトップに君臨すると、タイガー・ウッズに破られるまで、その最長記録を保持していた。
http://www.officialworldgolfranking.com/home/default.sps
ノーマンが不快感を隠さない
ある日本人プロゴルファー
1980年代半ば、颯爽と登場したオーストラリア出身の“ホワイトシャーク”ことノーマンは、セベ・バレステロス(スペイン)、ベルンハルト・ランガー(ドイツ)、サンディライル(英国)らとともに、米PGAツアーの外国人スター選手として圧倒的な人気を博していた。
中でもノーマンは、強烈な身体能力を武器に、攻撃的なゴルフでギャラリーを沸かせたのみならず、マナーの良さとルールへの厳格さでもってもファンからの尊敬を勝ち得ていた。メジャータイトル獲得寸前で、いつも“奇跡の逆転負け”をくらい、ランナーアップのトロフィーを並べることになっても、彼のファンが増え続けたのにはそうした部分があったからだろう。
今回の全英オープンでも“悲劇のゴルファー”となってしまったノーマンだが、彼の素晴らしさは、それでも腐らず、勝者を称え、繰り返し挑戦することを止めないことである。
実は、そのノーマンが唯一、不快感を隠さないのが、ある日本人プロゴルファーと、その人物を擁護し続ける日本ゴルフ協会なのである。日本のメディアではほとんど報じられなかったが、当時、その“事件”についてのノーマンの一言は、瞬時に世界中のゴルフ関係者の間を駆け巡った。
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著者プロフィール
- 上杉隆
(ジャーナリスト)
1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者などを経て、フリージャーナリストに。「宰相不在 崩壊する政治とメディアを読み解く」「世襲議員のからくり」「ジャーナリズム崩壊」「官邸崩壊 安倍政権迷走の一年」など著書多数。最新刊は「民主党政権は日本をどう変えるのか」(飛鳥新社)。
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