【第61回】 2009年01月15日
それでもやらないよりはマシだ。
定額給付金への反論に答える
前回のコラムについて、多くの反応があった。
案の定というか、予想通りというか、いずれにしろこうした論争は大歓迎だ。
先週の入稿が、海外出張直前(出演中のラジオと成田空港への移動時間に仕上げた)ということもあって、定額給付金にかかる問題の一部だけを論じるに留めていた。ところが、面白いことに、それが却って新たな論争を喚起する役割を果たしたようだ。
寄せられた反論については、それなりに納得できるものもあれば、まったくの的外れのものもある。具体性を欠いた感情的な反論は無視するとして、誠実な指摘に対しては、筆者なりの回答を試みたいと思う。
それにしても、こうした論争は、物事の理解を深めるのにきわめて有効である。「批判は情報」という自らのモットーにも沿うものであり、それを誠実に実践する意味でも、今回はせっかくだから、筆者自身の投げかけたこの論争に改めて参加してみようと思う。
〈定率減税の方が効果がある〉
景気対策として、高額所得層の需要を喚起するという観点からすれば、確かにその通りだろう。実際に筆者も同様の指摘をしている。
だが、前回の拙論は、すでに政府が閣議決定で定額給付金の支給を決め、第二次補正予算の方針を決めたという前提で書いている。よって、「現実」を前提としないこの種の反論に答えることは難しく、議論の質を薄めてしまう意味でもナンセンスなのだ。
筋違いのこの種の反論は意外にも多いものだ。論争下手の日本人の典型なのかもしれない。同じ舞台ではなく、自ら勝手に作った想像の世界を前提に論じようというものである。
〈定額給付金は税金を払わない人にも支給されてしまう。その点、定額減税ならば、税金を支払った人だけに還付され公平だ〉
まったく同じ論理でこの反論はナンセンスだ。とはいえ、せっかくだから、内容について真摯に考えてみる。
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著者プロフィール
- 上杉隆
(ジャーナリスト)
1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者などを経て、フリージャーナリストに。「宰相不在 崩壊する政治とメディアを読み解く」「世襲議員のからくり」「ジャーナリズム崩壊」「官邸崩壊 安倍政権迷走の一年」など著書多数。最新刊は「民主党政権は日本をどう変えるのか」(飛鳥新社)。
この連載について
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