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週刊・上杉隆

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新型インフルエンザ騒動で冷静さを欠く日本人とメディアの異常

 「日本型インフルエンザ」が大流行している。別名「マスコミ感冒」。もちろん、正式名称ではない。先々週、筆者が今後の日本国内のパニックを予測して勝手に名付けたものだ。案の定、今週、そのインフルエンザは日本列島をパニックに陥れている。

 きょう現在(20日)、国内の新型インフルエンザの感染者は190人を越えた。とくに関西地区では学校を中心に広がりをみせ、橋下徹大阪府知事が「都市機能のマヒ」を心配するほどまでになっている。

 大阪を歩いていると、街中にマスク姿が溢れ、なにやら危険なエリアに紛れ込んだような気分にさせられる。伊丹空港も新大阪駅も厳戒態勢を敷いている。空港職員や駅員はみなマスク姿である。実際、浜崎あゆみや倖田來未のコンサートが中止になり、各種イベントも中止や延期に追い込まれている。

 マスクをつけないで歩いている筆者に冷たい視線が集まる。自意識過剰だろうか。だが、持たなくてもいい罪悪感を覚えさせられるのは確かだ。

米国でマスク着用すると
罹患者と見なされる

 東京でも過剰反応が始まっている。国会では院内に入る際、手の消毒とマスクの着用が義務付けられるようになった。議員会館の秘書たちもみな同じ白いマスクをつけている。各議員事務所には、消毒液と40枚のマスクが無料配布された。

 何かおかしくはないだろうか。果たしてこれは正常な対応なのだろうか。

 5000人以上の感染者を抱え、死者も出ている米国。そのテレビ中継を観ると、それほどの騒ぎにはなっていないようだ。MLBの中継で観客席が映し出されても、マスク姿のファンは皆無だ。

 同じ米国テレビのニュース番組では、アジア系の住民ばかりがマスクを着用しているのを面白おかしく報じている。確かにニューヨークの街を歩いている市民で、白いマスクをしているのは日本人ばかりだ。奇異に映るのも無理はないかもしれない。米紙時代の友人からのメールを紹介しよう。

 「新聞に日本でのインフルエンザ・パニックが紹介されている。通行人が全員マスクをしている写真が掲載されている。日本で広がっているインフルエンザはそんなに危険なのか。毒性の強い別の型が流行しているのか?」

 米国人がこう思うのも無理もない。米国では、インフルエンザに罹患した者がマスクを着用し、そうでない健康な者はほとんど着用しないのだという。

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著者プロフィール

上杉隆
(ジャーナリスト)

1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者などを経て、フリージャーナリストに。「宰相不在 崩壊する政治とメディアを読み解く」「世襲議員のからくり」「ジャーナリズム崩壊」「官邸崩壊 安倍政権迷走の一年」など著書多数。最新刊は「民主党政権は日本をどう変えるのか」(飛鳥新社)。

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