2020.12.16
激動の21年、国際勢力バランスを変える「2つの要因」とは
2021年の国際関係は各国のコロナの収束と経済回復スピードの違いが勢力バランスを変える要素になる。だが要の米国は感染収束の時期が見通せずバイデン新政権は体制固めに時間がかかり、国際秩序の不安定は続く。
日本総合研究所国際戦略研究所特別顧問/元外務審議官
1969年外務省入省。オックスフォード大学修士課程修了。北米局審議官、在サンフランシスコ日本国総領事、経済局長、アジア大洋州局長を経て、2002年より政務担当外務審議官を務め、2005年8月退官。小泉政権では2002年に首相訪朝を実現させる。05年9月より日本国際交流センターシニア・フェロー、2010年10月に(株)日本総合研究所 国際戦略研究所理事長に就任。22年12月から現職。著書に『見えない戦争』(中公新書ラクレ、2019年11月刊行)、『日本外交の挑戦』(角川新書)、『プロフェショナルの交渉力』(講談社)など。2021年3月よりTwitter開始(@TanakaDiplomat)、毎日リアルタイムで発信中。
2020.12.16
2021年の国際関係は各国のコロナの収束と経済回復スピードの違いが勢力バランスを変える要素になる。だが要の米国は感染収束の時期が見通せずバイデン新政権は体制固めに時間がかかり、国際秩序の不安定は続く。
2020.11.18
険悪化する日韓関係だが、世論調査では双方の国民にはお互いに重要な国という声が多数だ。両国の政権や政府は国内の一部の勢力を過剰に意識しすぎていないか。「等身大」の相手をお互いがまずは認識することだ。
2020.11.9
米国大統領選はまれにみる大接戦の末、「バイデン大統領」が誕生する見通しだが、新政権の最大の課題は、トランプ政権で加速した国を二分する深刻な「分断」の立て直しだ。対外政策も大きく変わる。
2020.10.21
建国100周年の2049年に世界の超大国になる「中国の夢」は実現しつつあるが、中国自身が一党独裁の強権政治や国家資本主義経済から変われるのか、また中国を変えられるかは、今後30年の国際政治の中心課題だ。
2020.9.16
菅新政権は、「配慮一辺倒」から是々非々でものを言う対米外交や拉致問題と北朝鮮非核化の一括解決など、「安倍外交の継承」では済まないくつかの重要な選択」を迫られる。
2020.7.22
中国の香港国家安全維持法の導入による香港の「中国化」は米中対立を決定的にするゲームチェンジャーであり、韓国の「朝鮮化」、ロシアの「ロシア化」など、日本の外交環境は激変した。安保外交戦略の抜本的な見直しが必要だ。
2020.6.17
中国が香港版国家安全法を制定に動きだし長く維持されてきた「一国二制度」は崩壊の瀬戸際だ。「香港の中国化」は台湾の“台湾化”、シンガポールの香港化、米中対立の一層の激化を招き、歴史の変節点になる。
2020.5.20
コロナ後、中国は独自の経済圏構築で動き、香港、台湾問題などの「核心的利益」では強硬姿勢を強める。米国はトランプ大統領が再選の見通しが暗くなるほど中国に厳しく向かう。限定的ながら米中の軍事的衝突もあり得る。
2020.4.15
新型コロナの感染拡大が止まらないのは、政府が医療現場や事業者らの切実な声に受け身で対応してきたからだ。首相は指導力を発揮せず組織的な意思決定も行われずガバナンスが崩壊している状況だ。
2020.3.18
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は経済活動停滞だけでなく、人の交流を減らし疑心暗鬼、不信感を強める。各国の政治は自国優先、ポピュリズムに一段と傾き、世界の分断が加速する可能性が高い。
2020.2.19
新型ウイルス問題での初期対応の遅れは官僚主義や中央政府の指示待ち、情報統制など共産党統治の構造的な欠陥を露呈した面がある。独裁化がいわれる習近平体制がどう変化するか、注視が必要だ。
2020.1.29
一国・大国主義や過激な主張外交を展開する為政者がポピュリズムに乗じて勢いを増す中、戦火を交えるわけではない「見えない戦争」が、世界のそこかしこで起きている。もはや日本に成すすべはないのか。日本外交の戦略家・田中均氏が生き抜くため知…
2020.1.15
米国とイラン、北朝鮮、さらには台湾をめぐって中国との軍事的緊張が高まる可能性がある。偶発的な衝突はあり得る。鍵を握るのは米大統領選が本格化する夏以降、トランプ大統領がどう動くかだ。
2019.12.18
2020年の国際情勢は米中対立や北朝鮮の瀬戸際外交などの「6つの地政学リスク」が依然として深刻だが、中でも大統領選での再選を目指すトランプ大統領が予見不可能な対外政策に打って出るリスクがある。
2019.11.20
「一強長期政権」の下で政治家はただ政権を維持するのが目的になり、官僚組織は忖度が蔓延している。プロフェッショナルとしての使命感を持ち国民の負託に応える「公僕の矜持」を取り戻す時だ。
2019.10.16
香港問題は経済成長と自由の抑圧という中国共産党体制の矛盾を象徴する。中国政府が強制介入で抑えるのは難しく、民主化の中国本土への“飛び火”を防ぐのが精いっぱいだ。対応を間違えば体制の危機につながる。
2019.9.18
日韓関係修復には両国の政治指導者の役割が大きい。日韓連携の重要性を国民に語り、元徴用工への賠償支払いは韓国政府の責任で行い、日本も輸出管理問題で定期協議の場作りに動きだすことだ。
2019.7.17
日韓関係が泥沼化したのは、両国の政権基盤の違いや世論を巻き込んだ外交の硬直、対北朝鮮へのアプローチの違いなどの要因がある。両国の外交当局の存在感が薄く、打開には首脳間の直接対話が必要だ。
2019.6.26
緊迫度を増すイラン情勢だが、イランが挑発行動をとれば米国が軍事的行動をとる可能性は高い。双方ともが国内に保守強硬派がいるうえ、米国はイランの体制自体が脅威と考えているからだ。
2019.5.15
米中貿易戦争は米中が再び「制裁」「報復」の関税をかけあい不透明感を増すが、いずれは何らかの合意が図られるだろう。しかし米中は「戦略的競争関係」にあり構造的な対峙は続くと考えたほうがいい。
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