異なる部門、複数の部署を横断しながら課題を解決
多くの企業ではビジネストランスフォーメーション(BX)やデジタルトランスフォーメーション(DX)に関わる何らかのプロジェクトにすでに着手している。しかし、想定していた成果が上がらない、あるいは効率化は進んだものの、本業の稼ぐ力につながっていないといった悩みを抱えている。
そうした「変革の2周目の悩み」に応えるのが、組織全体のモメンタム(勢い)を高め、大きな変革の実現へと結び付けていく電通独自のフレームワーク「Holistic Transformation Model」(ホリスティック・トランスフォーメーションモデル)だ。
このモデルの全体像と実践アプローチについては、本シリーズ第1回で紹介した通りだが、具体的にはどういった領域で、どのようなサービスを、企業のどの部署に対して提供しているのか。それを示したのが下の図である。まさにホリスティック(全体的、包含的)に企業のあらゆる部門、活動を支援領域としてカバーしていることが分かる。
「コーポレート部門、R&D(研究開発)部門、事業部門といった異なる部門、同じ部門内の複数の部署を横断しながら課題解決を支援できるのが私たちの強みです」。そう語るのは、電通トランスフォーメーション・プロデュース局DXビジネス戦略1部長の古平陽子氏である。
マーケティングやブランディング、インターナルコミュニケーションといった領域を中心に長年、クライアント企業を支援してきた電通グループには、人や組織、新しい価値を「伝える」「動かす」「創り出す」ためのケイパビリティー(組織能力)とリソース(経営資源)が蓄積されている。それらをフルに発揮、活用することで支援先企業の部門、部署を有機的につなぎ、それぞれが持つ力や強みを掛け合わせることで、企業変革を大きく実現しているのである。
この電通ならではのアプローチによって、企業変革がいかに実現されてきたか。次ページから住宅関連会社、食品メーカーなどの具体的な支援実績を紹介しよう。