成功体験が「もっと成長したい」というモチベーションを生む

赤堀 鈴木さんは、浦和レッズのキャプテンとしてチームを引っ張られたわけですが、やはり「愛」を持って、他の選手の皆さんと接しておられたのですか。

元サッカー日本代表・鈴木啓太氏と東京通信グループコーポレート担当役員が解き明かす、社員と企業が共に成長していく“人材とチームの育て方”東京通信グループ執行役員コーポレート統括部長 赤堀政彦氏
インターネット広告代理店において、企業投資や業務提携に従事。2010年に投資会社に入社し、企業投資や投資先への常勤経営参画による経営再建に貢献。その後、同社の取締役に就任し、グループ全体のコーポレート部門を統括。19年より、コンサルティングファームの経営企画部長として、中期経営計画・予算策定、資本業務提携、社内プロジェクト推進に従事。22年に東京通信取締役CFO。23年に東京通信グループ取締役執行役員CFO兼コーポレート統括部長就任(現任)。

鈴木 いえいえ(笑)。キャプテンも、会社でいえば現場のマネジメント層の1人ですから、チームとして踏ん張らなければいけない局面では、選手たちにかなり厳しいことも言いましたよ。

ただし、普段はなるべく明るく、ご機嫌な態度でチームメートに接するようにしていました。チーム全体がどんよりとした雰囲気だと、個々の選手のパフォーマンスにも大きく影響しますからね。

普段から明るくしていると、厳しく言ったときにチームメートたちから「よっぽど問題があったのだな」と気付いてもらえます。なので、部下と接するときにもメリハリをつけた方が効果はあると思っています。

赤堀 とても勉強になります。

鈴木 ところで東京通信グループは、この先もどんどん事業領域を広げていく計画なのですか?

赤堀 はい。当グループは今のところ無料ゲームを中心とする「メディア事業」、電話占いをはじめとする「プラットフォーム事業」を2本柱としていますが、今後も新しい事業を次々と生み出して、非連続的な成長を追求する戦略を描いています。

ですから、新しいことにも果敢にチャレンジできる人材をできるだけ多く獲得し、育て上げていきたい。個人として「成長している」という手応えを実感できるような仕事を体験してもらい、そうした体験を積み上げることで、グループと社員が共に成長できるようなwin-winの関係を目指しています。

学歴やキャリアは一切問いません。人材採用においては、われわれと一緒に成長したいというモチベーションを重視しています。

鈴木 「成長する」というのは、「昨日までできなかったことが、やれるようになる」ということ。サッカー選手時代に味わった経験がありますが、「こんなプレーができたら」と思っていたことがやれて得点につながったときには、何ともいえない興奮が沸き上がるものです。その感覚が忘れられないので、「もっとうまくなりたい」「次はこんなプレーをしてみたい」と、どんどん欲が出てくる。まさに、東京通信グループのバリューの一つでもある「ワクワク」が止まらなくなってくるんですね。

赤堀 そんな気持ちを感じてもらえるように、これからも人材育成の仕組みや人事制度の改善を図っていきます。本日は、貴重なお話をありがとうございました。
 

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