人気の画像メーカーサービスを、より魅力的にブラッシュアップ
「電話占い」「恋愛相談」の成功を受けて、東京通信グループは23年12月、さらなるM&Aを実施する。画像メーカーサービス「Picrew(ピクルー)」を提供するテトラクローマを完全子会社化したのだ。
画像メーカーサービスとは、文字通り、ユーザーがパソコンやスマートフォンで思い通りの画像を制作できるサービスのこと。「Picrew」はクリエーターが登録した「画像メーカー」をベースに、ユーザーが顔や体などのベースを選んで、目やヘアスタイルなどのパーツを自由にカスタマイズし、自分だけのアイコンやキャラクターを作ることができるサービスである。
「画像メーカーサービスは、さまざまな種類のものが提供されていますが、『Picrew』は国内のみならず世界中のユーザーに利用されていること、しかもユーザー数が世界トップクラスであることに注目し、M&Aを決定しました」と古屋CEO。
テトラクローマを子会社化した後、東京通信グループは、「Picrew」がより魅力的なサービスとなるようにブラッシュアップを図った。
中でも、大きなプロジェクトとなったのがスマートフォン用アプリの開発である。もともと、ブラウザーによるサービスしか提供していなかった「Picrew」をアプリで利用できるようにしたことで、ユーザー数は劇的に増加した。
「無料ゲームで培ったアプリ開発のノウハウを駆使することで、より多くのユーザーに、気軽に使ってもらえるサービスへと進化させることができました。また、テトラクローマを子会社化するまで、『Picrew』のユーザーは検索や口コミなどで自然流入的に増えていましたが、東京通信グループのマーケティングノウハウを駆使して、プロモーションによるユーザー拡大にも努めています。ティファレトを子会社化して『電話占い』事業を発展させたのと同じように、グループ力の注入によって、有望な新規事業を大きく成長させたのです」と古屋CEOは説明する。
このように新規事業を次々と立ち上げ、成功させてきた東京通信グループだが、業績面ではやや苦戦が続いていた。
売上高は23年12月期に過去最高の62億円を計上したものの、24年12月期は前期比5.8%減の58億円に。最終損益は24年12月期まで3期連続で赤字を記録している。
赤字の大きな要因の一つは、主力のゲーム事業でハイブリッドカジュアルゲームが足を引っ張ったことだ。