2ケタ合格が当たり前に!
難関校の海外大学直接進学
新型コロナ禍で海外渡航にも大きく制限がかかる中、私立中高一貫校では在校中に一度は体験するだろう海外関連のイベントがどの学校でもことごとく中止になっている。オンラインを活用した交流などで代替する動きも見られたが、在校生は残念な思いを抱いていることだろう。
一方で、海外大学への直接進学の動きに衰えは見られないようだ。複数の大学から合格を得る例が通常なので、合格者数は延べ人数となる。英米を中心とする海外大学の合格実績は例年6月頃に公表される。2020年の数値を見ると、私立中高一貫校で最も多くの合格者数を誇る広尾学園は78人と、19年より4人増やしている。もっとも、18年には82人だったから、戻しているという言い方もできるのだが、17年が18人、16年が29人だったことを考えると、ここ数年間での直接進学意欲の高まりを実感できるかもしれない。
渋谷教育学園は、東京の渋谷(渋渋)、千葉の幕張(渋幕)共々、海外名門大学を中心に実績を上げている。20年の合格実績を見ると、27人合格の渋幕はシカゴ大、ペンシルベニア大、ノースウェスタン大、カリフォルニア州立大バ-クレー校など、リベラルアーツカレッジも10校といった具合で、19年にはイエール大やロンドン大の実績もある。渋渋は25人合格で、ボストン大、カリフォルニア州立大はLA校ほか2校、やはりリベラルアーツカレッジも多い。変わったところでは台湾国立大にも合格者が出ている。19年にはハーバード大やノースウェスタン大にも合格者がいた。
最近では、開成学園も海外難関大学の合格者を飛躍的に増やしており、20年には合格者34人、進学者数8人と過去最高レベルを記録しているほどだ。
こうした学校では、進学サポートはするものの、進学先は奨学制度も含めて受験生が自ら探し出してくる。それだけ優秀な生徒が多いことの証左でもある。
では、海外大学への直接進学はこうした難関校でなければ不可能なのだろうか。そんなことはない。意外な学校からルートが開けているのだ。