無名の女子校が海外大に
25人の合格者を出した理由
海外大学へ、20年実績で延べ75大学に25人が合格した私立中高一貫女子校がある。コロナ禍でも、実際に3~4人は進学する見通しとなっている。それは、一般的な知名度はほぼないといっていい北豊島(東京都荒川区)である。ちなみに荒川区にあるもう一つの私立中高一貫校は開成学園である。
19年合格実績が英国のマンチェスター大、ニューキャッスル大など5大学だったことを考えると、まさに爆増といっていい状況にある。なぜそれが可能となったのか。中学校高等学校長で学校法人の理事と事務局長も兼ねている丸山裕幸氏は「UPAAに日本の学校として参加しているからです」とその理由を明かす。
UPAAとは海外協定大学推薦制度のことで、協定大学は、英国がロンドン大学シティ、マンチェスター大学など8大学、米国がアラバマ大学バーミンガム校、イリノイ、コロラド、南フロリダなど州立大を中心に10大学となっている。
北豊島は高校が1学年100人、中学が同15人前後とこぢんまりした学校だが、6人のネイティブ教員が高校に設けられた国際英語コースの担任となり、英検でいえば準1級レベルのIELTS(アイエルツ)でオーバーオール6.0を目指す。それが“合格者数爆増”の背景にある。21年もほぼ同数の生徒が合格を得そうな勢いにあり、現状では特に中学から学んだ生徒の伸びが高いという。
中学は実質上、全入状態であり、普通の授業料を負担するだけの6年間の教育により海外大学の合格を現役で得ることができるのであれば、これほどの穴場校はないかもしれない。