アソシエ小泉壮一郎氏作成のデータに基づく 資料提供/森上教育研究所
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 1位世田谷学園は曹洞宗系の柔道の強い学校として名を馳せてきたが、近年は三軒茶屋という立地もあってか、進学志向が強まっている。昔の学校の雰囲気を知っている人からすれば、おとなしくて優しげな生徒が増えた印象だろう。ちなみに近所には昭和女子大のキャンパスが広がっている。

 2位桐朋、5位城北、7位巣鴨、9位攻玉社、これに12位芝を加えると、いずれも東京男子御三家といった超難関校の併願校として人気がある。中学入学時の偏差値は50台後半である点も共通している。御三家に届かなかった生徒が、のびのびと捲土重来を図れる学校文化がこの実績に結び付いているようだ。

 開成、駒場東邦などでもそうだが、男子の伝統校では体育祭の騎馬戦や棒倒しが恒例競技となっている。このオトコ同士の団結力で受験も乗り切る傾向があるため、学年による差が意外と出るのも男子校の特徴だ。この男臭さは、男子比率の高い難関国立大とは何かと相性がいいようだ。学生の過半数を女子が占める上智や立教、青山学院、4割弱の早慶、中央など私立難関校とは趣が違うのだ。

大学付属でも他大学志向が強い共学校

 さて、前回は別学校だけだったが、今回は共学校が9校入っている。

 3位帝京大学は、東大卒の創立者の思いがこもっている付属校で、他大学進学に力点を置いている。もちろん、セーフティーネットとして系列大にも進めるのだが、その比率は1割台にとどまっている。
 同じく大学付属系では、8位創価、13位中央大学附属横浜、14位国学院大学久我山、18位神奈川大学附属の名前も挙がっている。いずれも他大学進学に熱心だ。

 中央大学附属横浜は、中区山手にあった学校が中央大の系列下に入り、新しい校舎を港北ニュータウンに近い都筑区に設けたことでイメージが一変している。3人に2人は中央大に内部進学しているが、本ランキングはそれ以外の生徒の進学実績をベースに伸びを算出しているので、このような結果となっている。

 神奈川の学校が目立つ。やはり9校ある。このランキングの対象となっているのは2013年入学者だが、その2年前、2011年3月には東日本大震災が起きている。こうした自然災害が起きると、中学受験では地元回帰の動きが顕著となる。受験生が東京に入る川を渡らないのだ。神奈川でいえば、多摩川を渡らず、地元名門校に進んだ受験生が相当数いることが推察される。