ランク入りした女子2校と最難関男子4校
2校だけランクインした女子校も見ておこう。
「早慶上理」でも13位と17位だった洗足学園と鷗友学園女子は、この10年間でじわじわと評価を上げ、今では超難関校の併願校として欠かせない存在となっている。東京女子御三家は桜蔭、女子学院、雙葉とされてきたが、近年、桜蔭の妹分として人気急上昇しているのが豊島岡女子で、それらの併願校として人気なのが洗足学園と鷗友学園女子、そして今回はランク外の吉祥女子の3校である。
女子校の場合、この3校に続く学校は偏差値的には少し離れているので、難関校狙いの女子にとっては踏みとどまりたいラインでもある。ちなみに、「早慶上理」で1位だった頌栄女子学院は女子学院の併願校として人気がある。
女子東大合格者数ランカーである桜蔭や豊島岡女子ほどはいかないものの、洗足学園と鷗友学園女子は国立の難関校にも実績が出てきた。早慶はむしろ併願校的な場合もあるわけで、今回のランク入りした男子校と似たようなマインドにある。
最後に、東京と神奈川の超難関男子校が入っている点について触れておこう。
東京男子御三家では10位麻布、11位武蔵が、神奈川では永遠のライバル校である22位栄光学園と25位聖光学院の名前が見える。中学入学時の偏差値は武蔵が62とやや低めであるものの、他は65以上の超難関校であり、生徒にまだ伸びしろがあること自体、驚きかもしれない。
いずれも伝統校であり、新興校のように受験対策を強力に行う学校というよりも、生徒が自主的に努力する傾向が強い。いま、大学入試改革が進められているが、そこでの主眼は自ら学ぶ力を生涯にわたって持ち続けるような教育をしていくことにある。ある桜蔭のOGが言っていたが、「桜蔭生は放っておいても勉強している」。そういう子どもが育つ環境を提供できる学校は、やはり素晴らしい。