全国化が進む京都大の人気
東京大合格者に占める私立中高一貫校、とりわけ首都圏の増加が、東京大の多様な生徒の確保という推薦入試導入の1つの理由となっている。京都大の場合はどうだろう。
国公立志向の強い関西では、その頂点に位置する京都大の人気は衰えないが、その人気が全国的な広がりを見せている様子が特色入試合格者の学校名からうかがえる。
先の女子学院などは典型かもしれないが、合格者数2人の47校を見ると、関西以外の高校が3分の2を占めている。
また、36位で3人合格者を出している大阪の大谷、2人合格者を出している京都女子や神奈川の洗足学園といった私立女子校の名前も目立つ。
寮制学校では、2人合格に北海道の北嶺が、 1人合格に長野の佐久長聖も名を連ねている。
他にも、一般入試では合格者を目にしない学校の名前もちらほら並んでおり、AO入試としての本領を発揮している様子が垣間見える。
京都大の特色入試では、関係者の話からすると、受け入れる側である学部学科の教授の意見が尊重される傾向にあるようだ。
学部ごとの状況は後述するが、唯一、大学入試センター試験を課さない医学部医学科について先に見ておこう。募集人員は5人。書類審査による11月29日の第1次選考結果発表、12月14・15日の第2次選考を経て、他学部よりも一足早く、センター試験直後の1月20日に最終合格発表が行われる。
最終合格者数/第1次選考合格者数/志願者数の推移を見ると、1/5/5→2/5/5→3/10/16→4/11/14となっている。少数精鋭での競い合いではあるが、校長による推薦ではないこともあって、東京大の医学部医学科より志願者数は多くなっている。