1878年から歴史をつなぐ「知の日比谷」は、「グローバル・リーダー」の育成に注力している

旧第1学区を代表する「日比谷」の現在

 日比谷に関しては、国は3期連続でスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定し年750万円を交付、「理数探究」を先行実施するなどカリキュラムでも先端を走っているし、都はグローバル10に指定することでケンブリッジ英検を1・2年生全員が無料で受験できるといった支援もしている。

 臨海教室で行われてきた白ふんどしを身に着けての遠泳は一時期参加者が激減したが、80人ほどまでに回復している。9月の星陵祭(文化祭)で全クラスによる演劇発表を区切りとして受験勉強に突入するといった伝統も健在だ。

千代田区永田町は日本の政治の中心。向かいには議員会館が立ち並ぶ

 東大合格者数は全国公立校のトップに復活してた。

 数学・英語・古典といった教科は予習を前提に授業が行われているし、土曜に1・2年生対象に行われている土曜講習には生徒の9割以上が参加している。夏期講習もあるし、進路指導では、個別に添削指導も行っているというから、実にきめ細やかである。その結果が、生徒の75%が難関国立大を志望するという意欲に結び付いているのだろう。

 ところで、2019年度入試ではその日比谷が第2次募集するという珍事があった。募集人員は5人で、最終応募人員は170人。実際に受けたのは163人で、合格者は8人だった。誰が合格を辞退したのか、と塾業界などは盛り上がった。今回は、東京学芸大学附属が追加合格を出した結果という結論に落ち着いたのだが。

 他にも例年、塾が合格実績確保のため、難関私立一貫校へのリベンジ受験(中学入試はかなわなかった)に合格した生徒に受けさせたりすることもある。学校としても、こうした私立御三家や国立附属校に流れる生徒を鑑みて、例年10数人分は大目に合格を出しているが、今回は少し当てが外れたようである。

 現在の日比谷高の校長は、ライバルである「西」の副校長も務めた経験がある。「西高のことは私に聞いてください」と冗談めかして語っていたが、およそ対象的な校風の両校の、良い部分を取り入れて「国際性」にも強みを発揮しだすと、日比谷は最強の都立高としての地歩をさらに固めそうな気もしてくる。

 次ページは、都立高志望者はまず受けている模試「進研Vもぎ」のデータより、旧第1学区の進学校について、10年前と比較した。