体操の内村航平選手は九州出身だが、高校からは上京して東洋高で活躍した

ランク別の旧第1学区併願校

 ここからは私立を中心とした併願校について、2019年度入試の実績データを基に見ていこう。併願優遇の基準が毎年各校で変化することもあって、どこを選ぶかは都立高志望の受験者にとっては悩ましい問題である。

 都立最難関校の場合、併願校として早稲田と慶應義塾の付属校が多く出てくる。

 日比谷もその例外ではなく、通えるかどうかは別にして早稲田大学本庄高等学院(埼玉・本庄市)の他、早稲田実業(東京・国分寺市)、男子校では早稲田大学高等学院(練馬区)、女子は慶應義塾女子(港区)と国立のお茶の水女子大学附属(文京区)が上位に挙げられている。他にも、男子には私立の開成(荒川区)と国立の筑波大学附属駒場(筑駒/目黒区)という男子校がある。

 問題は女子で、併願トップの豊島岡女子学園(豊島区)が2020年と2021年は85人ずつ高校からの募集を継続するものの、それ以降は中学入試だけに募集を絞る。倍率がえらく高い慶應義塾女子やお茶の水女子にも日比谷の受験生は半分くらい合格しているようなのだが、それ以外は共学校の市川(千葉・市川市)くらいしか上位にはない。

 共学校志望となると、同じ国立の筑波大学附属(筑附/文京区)か私立の渋谷教育学園幕張(渋幕/千葉市美浜区)もあるが、いずれも超難関校で併願校という感じではなさそうだ。

 小山台と三田の併願校は似ている。朋優学院(品川区)は高等女学校が前身で、2001年から共学化している。近所にある青稜(品川区)とよく似たタイプで、合格を得るにはうってつけの学校として、城南地区の生徒の定番併願校となっている。

 JR中央線「水道橋」駅すぐの東洋(千代田区)の前身は商業系の男子校だったが、いまでは在校生の6割を女子が占めている。13階に屋上運動場があり、都内の高校として最高層のビル校舎となっている点がユニークだ。

 雪谷と田園調布の大田区コンビには、工業系から普通科になり、共学化した同じ区内の大森学園や隣の目黒区の目黒学院の人気が高い。両校とも元が男子校だけあって、在校生には男子が女子の2倍以上いる。