「西」を脅かす二番手校はどこなのか
準郊外的な住宅街で、都心に向けてJR中央線や私鉄・地下鉄が伸びている旧第3学区は、エリア間を縦に結ぶのは都営大江戸線くらいしかなく、あとは主要駅間をバスが走る。そのため、自転車通学の生徒が多い。西の自転車通学比率は男子42%、女子29%に達している。
このエリアで西に迫る都立高はあるのだろうか。西武線沿いには34群の3校があった。中学を付設して中高一貫化した大泉(旧制20中)、スポーツの石神井(旧制14中)、そして恋愛の井草(旧制18高女)である。現状では三番手校の位置で迫力はない。
33群だった杉並はじりじりと沈み、次ページの表からも抜け落ちてしまった。戦前に東京市杉並高等家政女学校として開校した荻窪は2005年に全日制課程の募集を停止して、その2年後から3部制の昼夜間単位制高校として生まれ変わっている。進学校として、唯一気を吐いているのが、進学指導推進校に指定されている豊多摩(旧制13中)だ。
大泉と富士は中学を付設して中高一貫化したが、高校での募集定員枠が2クラス分の80人弱しかなく、入学してからも中学からの内部進学生についていくのは大変ということで、受験生に敬遠されてしまった。2019年一般入試の実質倍率は富士で1.3倍弱、大泉の女子に至っては1.03倍と不合格は1人だけの全入状態になっている。
そんなこともあって、富士は2020年度、大泉は2021年度が最後の高校入試となる。以後は中学募集のみの完全一貫校に衣替えする。豊多摩はこの間隙を縫う形で急浮上中であり、旧第3学区での二番手校の地位は確立しているが、西の天下を脅かすまでには至っていない。