ポストコロナの教育
浅野中学校・高等学校の対応は、多くの学校に通ずるような展開を見せてきた。
4月の入学式、始業式はWebで実施、Google MeetやGoogle Classroomを使って生徒とのコミュニケーションを取りながら、大量のプリント類を生徒の自宅に郵送し、手探りでWeb授業も始めている。
ゴールデンウイーク明けから、月曜から金曜まで1日4コマのWeb授業を実施、授業は基本的にライブ配信せずに録画で提供した。生徒の家庭でのネット使用環境を考えると、ライブ配信が家族の使用とかぶることを回避するためでもある。
海城中学高等学校は、中間考査をいったん延期の後、中止した。小テストを重ねながら、期末考査は実施予定としている。巣鴨中・高等学校でも中間試験は中止、期末試験を基本に1学期の評価をすることになった。
多くの学校は夏休みを潰して代替授業を行う予定になっているため、期末試験はいつもよりも遅れる公算が高い。中間試験がないため、試験の対象範囲は拡大、生徒の対応が大変になるかもしれない。
聖光学院中学校高等学校では、中間試験に代えて、在宅受験で「到達度試験」を実施することになった。すでに郵送され、25日から試験期間とし、28日に解答用紙を学校に戻し、採点して生徒に返却する流れだ。定着度の振り返りを目的とするため、成績には参入しない。
東京男子御三家の1つ、武蔵高等学校中学校では、「すべての学年」「全教科」で、「時間割」に沿いながらオンライン授業を実施している。普段の授業をオンラインで、という点で徹底した対応ができていることは特筆できるかもしれない。
ただ、生徒の受信環境に差がある。そこで、中間考査は実施せず、生徒に示した毎回の課題等に基づいた「ルーブリック評価」を行うことにした。
ルーブリック評価では、レベル分けされた学習者の到達点と評価観点のマトリクスを用いる。明確で公正な評価を、レポートや小論文、グループ活動など、日々の生徒のパフォーマンスに対して自己評価も交えて行う。脱ペーパー試験ともいえるもので、新しい評価のあり方でもある。
新型コロナ禍をチャンスに変えるという、ポストコロナの教育を模索した動きともいえるだろう。