2月1日入試の穴場校
背景には、中学受験塾の進路指導が相当抑制的という現実がある。新型コロナ禍の影響もあって、受験生の実力がついていないと判断した塾により、志望校選択で厳しい指導がなされている。それは2月1日入試のみならず、2日や3日でも同様で、倍率の高い入試は敬遠される傾向が目立つ。確実に合格を得られる水準を見極めようという動きが強まっているわけだ。
男子校の2月1日入試では、志願者合計数が50人に満たないため今後の振れ幅は大きくなるかもしれないものの、桐朋や鎌倉学園も10%弱の減少となっている。
女子の1日入試はどうだろうか。東京女子御三家の女子学院が10%強、雙葉が5%強、桜蔭が3%強と志願者合計数を減らしている。2020年に746人と、1日入試では最も多くの受験生を集めた女子学院の動向には注目しておきたい。肌合いの近い鷗友学園に流れている可能性が大きい。
他には、立教女学院と頌栄女子学院がいずれも10数%の減少となっており、受けやすくなるだろう。頌栄女子学院はWEBでの申し込みができない点が、もしかしたら影響を与えているのかもしれない。
高倍率の入試が敬遠される傾向が如実に反映されている点は、4倍台という香蘭女学校も同様だ。校長と事務長が立教池袋から来たこともあってか、立教大への距離感が縮まった印象もある。こちらはSAPIXを含まない3模試の志願者合計数が、1日1回で10%強、2日午後の2回で20%ほど減少しており、倍率の緩和が見込まれている。
横浜雙葉は25%ほど減少している。志願者合計数が20人に満たないことと併せ、難関校中の大穴校といえる。女子受験生が東京方面に流れる傾向にあるせいか、ここ数年志願の減少が目立つ横浜女子御三家は、2021年入試でも引き続き狙い目といえそうだ。