中堅・中位の注目校と入試

 これまで難関・上位の穴場校について見てきた。ここからは中堅・中位校について見ていきたい。

 全体的に2021年入試で志願者の減少が見込まれている中堅・中位校では、系列以外の大学進学率の高い半付属校の増加傾向がうかがえる。具体的には青山学院横浜英和、関東学院、成城学園といった学校である。2020年に激増した淑徳は、2021年も増加気味で、当の学校関係者にもその理由がよく分かっていない様子である。

 神奈川の女子校では、1日午前の清泉女学院と午後の湘南白百合(算数1科)がいずれも倍率の軟化が見込まれており、受けやすい併願パターンになりそうだ。

 新型コロナウイルス禍で、引き続き女子校を中心にリアルな学校説明会の開催が困難となっている状況もあり、受験生はどのようにして志望校を決めたらいいのか、悩みは深いだろう。中堅・中位校は模試で志願者動向の変化をつかむことも難しい。そこで、さまざまな切り口から、注目の学校を以下に挙げていこう。

 まず、リニューアル校である。別学校から共学校になった場合、3年もするとだんだん受験生からの信頼感も増す傾向にある。女子校から共学化した青山学院横浜英和は男子生徒の増加が目立つし、八雲学園も年々男子受験生が増えている。

 2021年から男子校が女子を受け入れる例として芝浦工業大学附属がある。理系女子がどのくらい魅力を感じているのか注目される。明法は2019年入試から高校が共学化している。男子だけの中高一貫校を維持することが難しくなる傾向は強まっており、男子校の共学化も今後増えそうで、その先陣を切った対応といえそうだ。

 2021年新設校では、商業系に強かった村田女子高校に中学を設けて中高一貫共学校としてデビューする広尾学園小石川が最大の注目校となる。毎回趣向を変えていることもあって、WEB学校説明会には1000人以上の参加があるという。募集人員はわずかに90人で、2科入試中心という受験生の負担軽減策もあって、いまから相当の人気が予想される。