4日上位校は実倍率5倍が分かれ目に

 4日は東京23区の難関・上位校の情勢から見ておこう。豊島岡女子学園(3回)は実倍率7.7倍で現状は微減程度なので、今年もハイレベルな受験生がしのぎを削る場となりそうだ。実倍率5.1倍だった品川女子学院(3回)は3割近く出願ペースが落ちているため、少し受けやすくなるだろう。一方、普連土学園(4日午前4科)は3割近く増える勢いなのだが、実倍率1.9倍とほどほどなので、併願校として安心感がある。

 男子校では、ここ数年、目に見えて志願者が減少していた芝だが、1日1回は下げ止まったものの、2回は3割近く落ちる情勢となっている。難関校同様、2倍台半ばまで実倍率が下がるということなのかもしれない。一方、安定の併願校という顔も持つ城北(3回)は3割ほど増えそうな勢いで、実倍率5.2倍がさらに上昇し、ハードな入試になりそうである。同様の境遇にある巣鴨(III期)は実倍率8.1倍が敬遠されたのか2割弱の減少傾向、世田谷学園(3次)も同7.2倍が祟ってか4割減の勢いである。

 これに対して、新駅「高輪ゲートウェイ」効果もあって全入試が出願者増傾向と好調な高輪のC日程は、実倍率3.7倍とマイルドなこともあり、1割程度は増えそうである。明治大学付属中野(2回)は同4.8倍ながらも3割増の勢いがある。一方で、東京都市大学付属の3回は、実倍率7.4倍のI類、同8.9倍のII類ともども微減傾向にある。難関・上位校最後の入試のメルクマールは実倍率5倍にありそうだ。

 共学校では、女子受験生が男子の2倍もいるものの、男子の実倍率は7.4倍とハードな東京農業大学第一(3回)が、男子に関しては早々と前年実績をクリアし、4割増という勢いで出願者を集めている。この学校は女子人気が高いことも背景にあるのだろうか。今年から女子受験生もやってくる芝浦工業大学附属(3回)は、女子出願者は男子の2割程度しかいないのだが、男子の減少分を補う形になっているため、前年よりも全体では増えそうな勢いである。