新傾向の入試が並ぶ4日
さて、先に触れた英語である。跡見学園(特待3回英語コミュニケーションスキル)、山脇学園(英語C)、東京都市大学等々力(英語1教科)といった具合に、ある程度の英語力がある受験生なら算数好きと同様に、中学受験でも切り札になりそうな入試が並んでいる。他にも、3日午前の麹町学園女子(2/3午前一般)と瀧野川女子学園(5回)、淑徳SC(5回)といった女子校に加えて、佼成学園(Super English)は男子校としては珍しい。3日午後の品川翔英(5回ラーナーズ型B)でも英語の選択が可能となっている。
レベル的には英検3級程度、実施校は偏差値40前後という受験生のボリュームゾーンの学校が多い。1日から7日まで連日のように実施している北鎌倉女子学園(かんたん英語プレゼン)のように、来年以降、急速に導入校が拡大する可能性はありそうだ。
また、新傾向の入試が多く顔を出すのも4日の特徴かもしれない。聖学院の難関思考力入試は、「思考力ものづくり入試」「思考力+計算力入試」に続くもので、レゴブロックで作品をつくり、それを説明するのみならず、より広がりをもった問いかけもなされる。東洋大学京北の「哲学教育」思考・表現力入試は、例えば「自立」といった言葉を提示され、その場で問いを立てて作文するという大学入試のようなスタイルで、井上円了ゆかりの“哲学の学び舎”の伝統を受け継ぐものだろう。芝浦工業大学柏(課題作文)は主に適性検査型の作文で合否を判定するというものだ。
4日は、埼玉の浦和明の星女子(2回)や千葉の市川(2回)といった難関校が入試行う日でもある。神奈川男子御三家の聖光学院(2回)には優秀層が集まる。4日に出合うことができる学校は、このように結構豊富にそろっている。
4日はまた、3日同様、午後入試が結構多い。次ページの表8に一覧にしたが、時折、実倍率10倍超という入試もあるとはいえ、基本は1倍台の入りやすい入試が集まっている。
こちらは4日午前だが、啓明学園(3回)もまた受験生に優しい実倍率である。この学校は帰国生や外国籍の生徒が3割ほどもいるインターナショナルスクールのような雰囲気で、妙な同調圧力はないので伸び伸びと学校生活を送れる。本校のある昭島市は水道が地下水で他の町とはひと味違うのだが、全体的にそのような印象だろうか。