東京湾岸とタワマン関連に勢い
「川を越えない」というのは地元志向でもあるのだが、所在地によって人気が左右される傾向もうかがえた。特に顕著だったのが「大井町御三家」で、高校の志願者数が顕著に増加している。比較的幅広く公立高校の併願校として人気の朋優学院、オール4水準の青稜、オール3水準の品川翔英の3校だ。いずれもJRなら湘南新宿ライン・横須賀線「西大井」を最寄りとしており、神奈川方面からの受験者が多い。高校人気は中学にも波及してくるもので、青稜はすでに人気校であり、品川翔英は出願者数が激増している。「西大井」の隣駅はタワーマンションが林立する「武蔵小杉」である。
同様に、東京湾岸のタワマンからアクセスの良い学校は総じて調子がいい。1日午前の状況を見てみよう。かえつ有明は男女共に実倍率が3倍を超えている。今年から女子を受け入れ共学化した芝浦工業大学附属の実倍率は男子6.0倍、女子3.5倍と大人気である。
都営大江戸線沿いにある女子校の中村(最寄り駅は清澄白河。以下同)は元が少ないとはいえ1日午前は出願者数が前年比83%増、共学校の安田学園(両国)は男子76%増、女子33%増と絶好調だ。豊洲から通える東京メトロ有楽町線沿いでは、男子校の獨協(江戸川橋)も28%増で実倍率を2.5倍まで上げている。1日の36%増を皮切りにすべての入試で爆上げ状態となっている同じく男子校の日本大学豊山(護国寺)も同じ沿線にある。
千葉方面から通学する生徒の多い共立女子は、前年実倍率3.3倍が敬遠されたこともあるのか1日の出願者数は25%減で、いずれの入試も同様に大きく減らしている。東京女学館も同様の傾向にあるようだ。
多摩地区にある学校も総じて振るわない。女子校では晃華学園、男子校では明法、共学校では東京電機大学が出願者を増やしていることが目に付くくらいだろう。
立地という点では、東急沿線にある昭和女子大学附属昭和と実践女子学園との併願校として人気の玉川聖学院が好調だった。1日午前の1回が出願者数9%増で実倍率2.0倍、他の入試もほとんどが出願者を増やしている。