1月10日の人気入試

 まずは、図1にある1月10日の人気の入試から見ていこう。

 栄東に次いで、多くの受験生を集めているのが大宮開成(さいたま市大宮区)である。10日の第1回は、22年には前年比で500人近く上積みした。10日の入試にしては実倍率が高くて2倍となっている。模試の志望者数動向からは、23年も大きく伸ばしそうだったが、1月6日時点で2055人となっており、前年並みを確保できるか。前年に引き続き、1時間の時差を設けて前半と後半に分けての入試実施となる。

 栄東と同じ学校法人佐藤栄学園の埼玉栄(さいたま市西区)の第1回も、模試の志望者状況では大宮開成同様さらに大きく伸ばしそうだった。実際、10日午前の第1回、午後の第2回の入試が設定されているが、1月5日現在、1591人、1179人の志願者数といずれも前年を上回ることは確実の情勢となっている。入試全体では、300人ほどの上積みが見込まれている。

 開智(さいたま市岩槻区)一貫部の10日先端1の志願者数は、ここ2年間減少気味で、模試の志望者状況も軟調だったものの、23年は6日時点で1591人に達している。20年の実績をすでに上回り、完全に復調していた。入試当日の8時半まで出願を受け付けており、さらに数字を伸ばしそうだ。本校以外にも、さいたまスーパーアリーナなど三つの会場を設定して受験生の分散を図っている。さいたま新都心駅や大宮駅に近く、受験生の利便性が増したことも、出願者増には寄与しているものとみられる。

 西武学園文理(狭山市)の第1回も、出願者を年々増やしている人気入試である。1月6日時点で831人となっている。実倍率は1.1倍で推移しており、合格を得ることは困難ではない。

 浦和実業学園(さいたま市南区)中高一貫部の人気も高まっており、10日の第1回午前特待は1月5日時点で472人と、前年超えは確実な情勢となっている。10日午後の第2回午後特待は出願を14時まで受け付けており、同じく425人が出願している。

 武南(蕨市)は、20年から倍々で出願者を増やしている注目校だ。1月5日現在、第1回は376人が出願しており、こちらも前年超えの勢いだ。

 女子が先導する形で人気の青山学院大学系属浦和ルーテル学院は、10日の第1回は4教科型20人、英検利用型10人の合計30人の募集人員となっている。21年入試は志願者数が前年比でほぼ倍増したこともあり、実倍率4倍超えという厳しい入試となったが、22年は出願者数が200人ほど減ったこともあり、2.8倍まで緩和した。現段階では出願者数は詳らかではない。

 10日午後は、男子校の城北埼玉(川越市)の特待入試が例年多く受験生を集めている。22年は志願者数428人で実倍率1.3倍だった。1月5日現在で384人となっており、前年を超えるかもしれない。23年は10日午前(第1回)と11日(第2回)が加わったため、771人が志願した22年第1回の12日の入試は第3回となっている。同じ12日で比べると276人とだいぶ勢いが落ちている。その点、第1回と第2回共に351人と勢いがあり、早めの日程に人気が集まることで受験者数を増やしているようだ。こちらも大宮や所沢に校外会場を設けている。

 10日午後では、県西部にある女子校の大妻嵐山(嵐山町)は第1回が人気で、1月6日現在294人を集めている。この他、10日には「まなび力」というユニークな名称の入試も行っているが、こちらはほぼ確実に合格を勝ち取ることができるため、第一志望者にはお勧めである。