勢いを取り戻した神奈川の男子難関校

 ここからは図32日以降の男子受験生の動向を見ていこう。

 東京の男子難関校の併願先としては、2日の神奈川の難関校である聖光学院栄光学園を受ける例が多い。コロナ禍で学校説明会もままならず、2021年、22年と志願者を減らしてきた栄光学園は、前年より66人増やして、回復基調にある。東京からの受験生がさらに多い聖光学院(第1回)は、すでに前年実績を上回り、どこまで20年の出願者数に迫るだろうか。

 2日に1000人を超える志願者を集めるのが本郷(第2回)である。100人程度が上下する隔年現象が見られるものの、今年は21年ほど大きく緩和することはなさそうだ。攻玉社(一般学級第2回)も同様に隔年現象が見られ、今年は緩和傾向にある。

 多摩地区の男子上位校として孤高を保つ存在の桐朋は、2日の第2回が上積み傾向で、600人台を回復できるか。交通の便を考えると、埼玉方面からもJR武蔵野線や西武線経由で来やすいのだが、学校説明会には多摩川以西の神奈川方面からも訪れるようになっているようで、その復調ぶりを感じさせる動きだろう。

 前年比61人と大きく減らした慶應義塾湘南藤沢中等部に比べ、明治大学付属明治(第1回)は前年実績をクリアーしそうとはいうものの、21年まで戻すことは難しそうである。同じく共学校では、渋谷教育学園渋谷(第2回)が好調で、1月28日現在522人と20年以降では最多の志願者数となった。

 2日午後は、同日11時まで出願を受け付ける高輪(算数午後)は前年に届くかどうか。広尾学園(医進・サイエンス回)は逓減傾向に歯止めがかかるか。

 3日には、例年1000人以上の出願者が殺到する入試が四つある。まず、神奈川男子御三家の一角である浅野だが、他の2校と比べるとだいぶ難度は下がる。志願者数も年々低下気味で、現状では、今年も緩和傾向が続きそうである。

 1日に続いて、3日にも同じ新宿区にある男子校が毎年出願者数で張り合っている。前年は3人差だったが、今年は45人にその差は開いて、早稲田(第2回)が海城(一般〈2〉)に競り勝っている。東大を目指す難関校の生徒にはおなじみの鉄緑会は、通うことができる学校が指定されている。23年から早稲田も15番目の学校として仲間入りしたことで、海城に追いついたともいえる。
 
 図3の中にはないが、3日の男子最難関である筑波大学附属駒場は、20年から出願者数・実倍率を見ていくと、684人・4.3倍、677人・4.3倍、576人・3.7倍と緩和傾向が続いていたが、今年は627人と盛り返している。

 やはり図3にはないが、4日5日の人気の入試にも触れておこう。4日は、22年は1092人出願して実倍率2.7倍だった(第2回)だが、3日出願締切りということもあって、現状ではその半分強にとどまっている。同じく4日のサレジオ学院(B)は、前年は出願者数450人で実倍率3.3倍だったが、やはり現状では半分程度である。最後の望みということで、駆け込み出願が3日に多くなるのだろう。

 5日は、本郷(第3回)が22年に544人出願し、実倍率は10.2倍に。21年・20年も9倍台後半で、とても厳しい。もう一つ、同じく男子校の攻玉社(一般学級特別選抜)も算数1科で最後の盛り上がりを見せる。