女子上位層は比較的安定

 神奈川の男子御三家も「弱気な学年」が直撃、いずれも減少傾向にある。東京・神奈川の単独入試回では最大規模の浅野は、2020年1890人から年々減少傾向にあるが、27日現在1632人となっており、23年1731人にどこまで迫るか。栄光学園は23年に816人と大きく戻したものの、24年は前年比14%減の705人で確定した。入試前日の23時59分まで出願を受け付ける聖光学院も23年に大きく伸ばした。四模試では前年比1割程度の減少傾向が表れていたように、2日1回は26日現在614人で、23年740人は遠く、22年650人は超えられるかという状況にある。
 
 女子校はどうか。桜蔭は23年が大きく増やして629人となったものの、実倍率が2.1倍となった反動もあって591人に、女子学院は20年の798人から隔年現象で増減が見られたものの、23年より8人多い708人でそれぞれ確定している。募集人員が100人と少ない雙葉は23年より2人減の399人で確定、ほぼ例年並みの状況となっている。こと東京女子御三家を見る限りでは、男子よりも安定感がある。
 
 すっかり難関校となった豊島岡女子学園は、志願者数が全体的に減少傾向にある。24年の注目点は、東京と神奈川の女子校で唯一1000人超えの2日1回の動向だが、28日現在942人で前年より1割弱減のペースで進んでおり、31日まで3日間の伸びが注目される。
 
 神奈川では、20人台の東大合格者数を維持して県内トップクラスの難関女子校となった洗足学園もハードルが上がっている。1日1回の志願者数を22年から見ると、331人、279人、24年は25日現在で248人となっている。長らくトップ校の座を維持してきたフェリス女学院は県内女子校唯一の1日1回だけ入試校であり、22年に464人まで増やしたものの24年は431人で確定している。22年と23年の実倍率は2.2倍であったが、2倍を割れるようになったら、次の手を考える時期なのかもしれない。
 
 横浜女子御三家のうち、横浜雙葉は24年入試で1回だけ入試校をやめた結果、志願者総数が3倍近くに増加した。1日1期は前年比11人増の197人だったが、2日2期に306人もの応募があったためである。校舎が新しくなった横浜共立学園も23年の落ち込みから復調、1日A方式は前年より5人増の242人、3日B方式は同37人増の421人となった。

 23年の実倍率が1.9倍となった創価が3日プレゼン型入試を新設したことにより、1回だけ入試を行う私立中学は、首都圏では18校が残るのみとなった。系列大学のある10校(早慶5校、青山学院、立教女学院、白百合、フェリス女学院、駒場東邦)、東京男女御三家6校、神奈川男子御三家の2校(栄光学園と浅野)である。25年以降、実倍率で2~3倍程度を維持できなくなると、さらにいくつかの学校は2回目の入試をもうけることになるのかもしれない。

 広尾学園広尾学園小石川は偏差値的にも同レベルになってきた。いずれも24年の志願者数は減少傾向にある。1日入試回は31日締め切りなので志願者数は確定していないが、25日現在、広尾学園1日1回本科は334人(23年454人)、1日午後2回本科476人(同502人)、同2回インターSG286人(同427人)、12月に新校舎が竣工予定の広尾学園小石川1日1回133人(同226人)、1日午後2回284人(同375人)となっている。このあたりにも、24年受験生の弱気がうかがえる。

 上位校の仲間入りをした東京農業大学第一は、算数国語と算数理科のいずれかを選ぶ入試だが、年々算理の応募者数が増えている。25年からは高校募集を停止して完全中高一貫化する。こちらは1日午後1回がすでに23年842人を超え、22年879人も超えて28日現在940人に達している。