「弱気の学年」女子が選んだ女子伝統校

 男子受験生の弱気が漂う24年だが、女子はそれでもまだ安定している。中堅校は少ないものの、圧倒的な数の中位校から先が控えている女子校の中で、24年に好調ぶりが目立つ学校が3つある。いずれも都心部の一等地にある伝統校だ。

 大学提携バブルと言ってもいいくらい23年に続き人気が上がっている三輪田学園は、校長の語りも人気の秘密かもしれない。1日1回は29日現在で296人とすでに23年より37人多く、1月31日に向けさらに積み増しそうだ。興味深いのは23年から始めた英検利用型で、1日1回と2日2回を合わせてすでに156人となっている。今後さらに人気となりそうだ。

 ここ数年、圧倒的に元気がいいのは実践女子学園だろう。系列大学も近くに控え、広報予算も潤沢だ。23年は22年より緩和気味の入試回も多かった。30日現在、1日1回と思考表現入試は243人と23年の210人を超え、22年249人にあと一歩である。多くが集まる1日午後入試から先の勢いも興味深い。すぐ近所にある東京女学館も23年は少し減らしたが、29日現在で1日午後2回は345人と23年319人を上回っており、全体的に前年並みは確保しそうな勢いだ。

 算数1科入試の元祖である普連土学園は慶應義塾大三田キャンパスに近い丘の上にたたずむ。24年はすべての入試回で緩和気味だった前年実績を超えそうで、1日1回はすでに22年実績も超えている。1日午後の算数は300人を超え、22年367人にどこまで迫ることができるか。

 港区にある山脇学園は、1科入試で多くの受験生を集めている。特に1日午後の国語と算数の1科入試は、22年869人、23年780人を集めた大ヒット入試だ。24年は29日現在725人で、1日朝7時まで出願を受け付けており、前年超えは確実だろう。また、5回行う英語入試は23年に234人の出願があったが、24年はすでに257人と前年を上回っている。

 女子伝統校が集まる千代田区では、東京家政学院の人気が上昇中で、23年に続いて24年も1日と2日の入試はすでに前年実績を超えている。麹町学園女子も23年に増やしたが、24年は前年並みとなりそうだ。神田女学園は23年に少し増やし、24年は前年並みとなりそうだ。一方、大妻は23年に大きく落とし、1日1回は23年並みを確保したものの、24年も全体的に軟調である。2月10日まで7回の入試を行う和洋九段女子も含め、比較的どの学校も受けやすくて受かりやすい。

 文京区の中堅・中位校は安定している。ミッション系ではない女子伝統校の代表的存在である跡見学園は23年が全体的に好調で1割程度増しており、24年は前年維持を目指す展開となっている。東洋大学京北駒込郁文館は24年も前年並みを確保しそうだ。淑徳SCは24年4月から小石川淑徳学園に改称するが、この校名変更効果がどのくらい生徒募集に発揮されるかは興味深い。隣の台東区は上野学園が好調で前年比微増の勢いだ。

 新宿区では昨年100周年を迎えた目白研心が23年に続き好調を維持している。すでに1日午前は前年を1割ほど上回り、他の入試回も23年実績に迫っている。隣の中野区では、宝仙学園共学部理数インターに入試回による志願者数の増減が見られるため、一概には言いづらい面もあるが、最も多くの受験生を集める1日1回公立一貫型が23年454人を上回るかで勢いは測れそうだ。1月30日現在383人、出願締め切りは2月1日朝6時50分となっている。近所にある実践学園も宝仙に負けず劣らず細かく入試を設定しているが、全体的に23年並みで一部微増となりそうだ。その点、大妻中野は23年に大きく伸ばし、24年もそれを維持しそうな情勢にある。