青山学院大学系属 浦和ルーテル学院小・中・高等学校
福島宏政理事長・学校長

 教育方針に掲げる「ギフト教育」は、「神様からのギフトである才能や個性を伸ばし、世界に貢献する人間を育てること。周りの人間を幸せにし、自らも幸せに生きること」を目標としている。中高共に1学年75人程度を基本とする少人数教育を特徴とし、小中高12年一貫教育によるアットホームな雰囲気の中で生徒一人一人と向き合うことによって、生徒の「ギフト」を開花させていく。こうした人間教育とグローバル教育に定評がある浦和ルーテルは、今年福島宏政校長を筆頭に四つの「アップデートプログラム」でさらなるステップアップを図っている。

 まずは、教育支援ソフトやアプリの積極的な活用による「ICT教育」の拡充。そして「探究学習」のさらなる充実だ。中学で実施している「フィールドプログラム」はアーツ、イングリッシュ、サイエンスの3分野に分かれ、自分の興味や関心のある分野を掘り下げて主体的に学ぶことで探究心を育てる。学びの集大成として英検や数検など各種検定にも積極的に挑戦しているが、世界遺産検定の4級(高校生レベル)では中1の生徒が全国で初めて満点を獲得。全国最年少最優秀賞を2年連続で受賞した。「グループワークでアクセスや費用まで含めた世界遺産ツアー企画を立案し、その中からベストプランを選んでみんなで現地を訪問しようと考えています」と、福島校長。24年度は本来の目的であるフィールドワークまで実現したい考えだ。

自分の「ギフト」が何かを
探究し貢献する人を育てる

 伝統の「国際教育」もアップデートしていく。同校では中3~高2を対象に米国研修を実施してきたが、今夏は小5~中2まで対象年齢を広げてオーストラリアへ向かう。

 教育内容の拡充に合わせて、指導力をアップデートする「教員研修」も怠らない。外部から講師を招いて、授業技術と教科指導の専門性を高める教員研修を継続的に行っている。

「教員の指導レベルを常に向上させることで生徒の実力アップを図り、本学院全体の学力をさらに底上げしていきます」と、福島校長。

 青山学院大学の系属校となって6年目、今春は卒業生66人中15人が同大学に進学を果たした。青山学院大学とは高大連携による「学問入門講座」なども年間約30講座開催されており、多くの生徒が熱心に受講している。

 今春、「自分の力を人のために役立てたいと思って救急科専門医師になりました」と報告に来てくれた元生徒がいた。「また、卒業後、学び直し若くして大学の准教授に就任した卒業生もいます。在校中に自分のギフトに気付く生徒もいますし、そうではない生徒もいます。大事なことは寄り道しながらも一生、自分のギフトが何なのか、人のために生かすことを探究していく人間を育てていくことだと考えています」(福島校長)。

中学の探究学習フィールドプログラムから、「イングリッシュ」の1コマ。英語を通して世界への知見を深める
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