共立女子第二中学校高等学校
晴山誠也校長

 共立女子学園の建学の精神は「女性の自立と自活」。当時主流だった良妻賢母の育成ではなく職業教育を目指した同校は、女子教育の歴史におけるパイオニアだ。「実は私の祖母も共立の出身です」と語るのは晴山誠也校長。「生涯、共立で学んだことを誇りにしていました」。

 学園全体の教育指針として「リーダーシップの共立」を掲げている。共立女子第二の教育現場では、それを「セルフリーダーシップ」という言葉に置き換え、育成に励む。

「リーダーというと組織の旗振り役をイメージしがちですが、当校の目指すセルフリーダーシップは、目の前の課題に自分の持ち味を生かして取り組む力を指しています。『自分の人生では、誰もが主人公である』という自覚を持ち、将来的に自分らしく社会貢献できる女性の育成を目指しているのです」と晴山校長は語る。

 セルフリーダーシップはすでに同校で行われている体験学習など、さまざまな取り組みの中で培われている。敷地全体を教材とした豊かな自然の中での理科教育。バランスの取れた英語力を身に付ける「4技能統合型授業」、高校では「共立探究」と名付けた探究学習も行われる。学業以外の生徒会活動、体育祭や文化祭などの行事や部活でも、友人と協力し、物事を進めていくセルフリーダーシップが至る所で発揮される。「入学時は内気で、対面で話をしても自分を出せなかった子が、文化祭で舞台に上がってMCをしているのを見て驚いたこともあります。主体的に何かに取り組む中で、パッと変わる生徒の姿をたくさん見てきました」(晴山校長)。

「ありのままの自分」
「息の長い友人関係」

 2022年度から高校で導入された4コース制。高1で「特別進学コース」「総合進学コース」「英語コース」の3コースから選択し、高2に進級する際、総合進学コースに所属する生徒のうち、共立女子大の文系志望者が「共立進学コース」に進む。英語コースでは全員がニュージーランドへのターム留学(約3カ月)に参加する。先日、留学から帰国した生徒を成田空港に出迎えに行った晴山校長。「みんな家に帰りたくないと泣いているのです。それほど充実した留学だったのでしょう」。

 同校の出口に関しては、現役での大学進学率がほぼ100%。共立女子大への推薦権を保持したまま外部大学へチャレンジできる制度もあり、24年度は国公立大学を含む外部大学へ60%が進学した。卒業生は1万2000人に及ぶ。ホームページの「OGファイル」では、「ありのままの自分」「自由な校風」「生徒の可能性を信じ、伸ばしてくれる教職員」「共感」「息の長い友人関係」といった共通のキーワードを見いだすことができる。ありのままの自分でいられた共立女子第二での時間を慈しみ、生涯の師や友を得て、自分らしく生きる先輩たちの姿がそこにある。

ニュージーランドへのターム留学は約3カ月。親元を離れ、ホームステイをしながら、現地校で現地の高校生と同じ授業を履修する
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共立女子第二中学校高等学校
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