神奈川大学附属中・高等学校
小林道夫校長

 森に囲まれた広大な敷地に、陸上グラウンドやサッカー場など充実した設備がそろう神奈川大学附属。春の桜、秋には色づいたイチョウが見事で、校内の空気は清々(すがすが)しい。2024年に開校40周年を迎え、その歩みとともに開校当初幼木だった木々も大きく育った。

 生徒たちはそんな恵まれた環境の中、勉学に、課外活動に伸び伸びといそしむ。全てにおいてゆったりと余裕のある雰囲気が漂うのは、1学年の生徒数が220人前後と、そこまで多くないことも関係しているだろう。

 24年度から就任した小林道夫・新校長は「本校は基本的に真面目で穏やかでありながらチャレンジ精神旺盛な子、ちょっとしたことではめげない芯の強さを持った子が多いです」と話す。

 小林校長は1987年から神奈川大学附属で教壇に立ち、時代に先駆けて情報教育の指導に当たってきた経歴を持つ、中学技術科や高校情報科の教科書執筆も手掛けるオーソリティーだ。同校では89年にコンピュータ教室を設置し、プログラミングの授業を開始。インターネットの活用、ロボット教育の導入も早い。10年以上も前から“未来の夢の乗り物”とされる宇宙エレベーターの研究を教育に取り入れており、情報分野・工学分野に関心を持つ生徒も多く集まるという。

「つい先日は本校の中学2年生(当時)が、全国で4人まで選ばれる国際情報オリンピック日本代表選手の座を最年少で掴み取るという快挙を成し遂げました。もともと幼少期からプログラミングに興味を持っていたということで、そうした観点から本校を選んで進学してくれたことをうれしく思います」(小林校長)

 現在は全生徒が1人1台タブレット端末を持ち、出欠連絡から課題提出、教員への質問に至るまで端末を通して行う体制だ。また、コンピュータ教室の設備は5年ごとにリプレイス。ICT活用状況は学校ごとに差があるが、同校は小林校長の主導の下、先進的な取り組みをしている学校の一つといえるだろう。

4人が東大合格
難関私大の合格者も多数

 難関大学に合格することのみを目的とせず、多彩な教育プログラムで生徒の学びをサポートする同校だが、24年春の大学合格実績は東大4人(うち1人は学校推薦型入試による)、京大1人、一橋大・東工大・旧帝大に15人、早慶上理117人など、進学校の名にふさわしい結果を残した。

「開校から40年の間に時代は大きく変わりましたが、本校の主体性や多様性を重視する教育に変わるところはありません。本校は学業を支える体制に加え、部活動や学校行事、探究学習など、多くのプログラムを用意しています。生徒たちには積極的に挑戦し、多くの人と出会い、互いを認め合いながら自らを成長させてもらいたい。私たちは、全力でそのサポートをしていきます」と小林校長は力を込めて語る。

6年間を通じてICT教育を実践。2025年度から大学入学共通テストで「情報」が導入されるが、それに対応し得る高度な知識とスキルの習得を目指す
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