関東学院中学校高等学校
森田祐二校長

「Olive STREAM」という教育ビジョンを掲げている関東学院。米国から始まった理系重視のSTEM教育に、芸術・教養(Art/Liberal Arts)と、建学の精神でもあるキリスト教(Religion)を加えたものだ。

「Oliveは本校の校章のモチーフで、聖書に登場する平和の象徴です。“E”には現代社会に必須なコミュニケーションツールである“英語”の意味も込めています。本校では週1回、礼拝と聖書の授業を実施していて、教育目標は“他者愛と利他の精神”を育成すること。キリスト教に基づく価値観を育みながら、自分の力を他者と共に用いるサーバントリーダー(※)を育てたいと考えています」。そう説明するのは森田祐二校長だ。

サイエンスリテラシーを
養う充実の理科教育

 理系重視の教育を支えるのは、充実した設備を持つ五つの実験室。中学校舎の2階は「理科フロア」と呼ばれており、物理・化学・生物・地学と多目的用の実験室がある。1人1台の顕微鏡を備え、薬品を扱う実験では教員とは別の理科実験助手がサポートする。中学では現象を実際に確認して考察し、レポートを作成することで理解の定着を図る。高校ではより発展的な実験を行いながら、外部の研究発表コンテストにも挑戦する。

 また医学部を目指す生徒が多いため、メディカルプログラムを立ち上げ、現役医師や医学部予備校講師による講演会や、入試のための個別の面接練習なども実施。さらに2024年度からは、中外製薬の創薬研究施設「中外ライフサイエンスパーク」(横浜市戸塚区)のバイオラボ(実験室と講義スペース)と連携し、さまざまな協働をスタートする予定だ。

「中学の授業でサイエンスリテラシーを養うため、高校で理系進学を目指す生徒が多くなるのが本校の特徴です。中でも女子生徒の理系志望が多く、ジェンダーバイアスのない世界をつくるためにも、社会に出てから理系の分野で活躍してもらいたい。24年3月には建築界のノーベル賞とも呼ばれる“プリツカー賞”を本校出身の建築家・山本理顕(りけん)さんが受賞しました。大先輩の活躍に続いてほしいと思います」と森田校長。

 英語教育では、ベルリッツメソッドや1対1のオンライン英会話を導入、希望者にはさまざまなエクステンションプログラム(海外研修)を用意している。中3の6割が英検準2級を、高2の6割が2級を取得するなど、生徒たちは着実に英語力を身に付けている。課外授業で韓国語講座や中国語講座を開講しており、こちらも毎年人気が高い。

「近年は偏差値が上がり、保護者の方々からの期待も高まっています。一度失敗しても活躍できる機会がたくさんある学校で、男女の仲もすごく良い。卒業生の方々の応援も熱く、地域に愛されている学校だと自負しています」(森田校長)

※サーバントリーダー:支配型ではない、支援型のリーダー

中学校舎の2階は「理科フロア」と呼ばれており、物理・化学・生物・地学と多目的用の実験室がある
●問い合わせ先
関東学院中学校高等学校
〒232-0002 神奈川県横浜市南区三春台4
TEL:045-231-1001
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