佼成学園中学校・高等学校
南井秀太教頭

 近年、佼成学園の大学合格実績の伸長が際立つ。2024年春は、国公立大学へ37人、早慶上理に64人、GMARCHに137人、医学部医学科に8人という結果を出した。加えて、海外大学は南洋理工大学、シドニー大学、カナダのブリティッシュコロンビア大学などに26人の現役合格者を出し、23年の6人から大幅増となった。今春卒業の「グローバルコース」1期生の躍進が目立つ一方、「難関国公立コース」「総合進学コース」から難関大学を目指す生徒が増えるなど、好循環の波及効果が生まれている。大きく進歩したもととなっている「グローバルコース」は、実践的な英語力の獲得と海外フィールドワークが特徴。世界規模の社会問題解決に向けて探究するPBLを通じてグローバルリーダーに必要なアントレプレナーシップ(起業家精神)を養っていくコースだ。

「高2の3月には米国・ボストンを訪問し、現地で活躍する起業家や投資家の前で生徒たちは起業アイデアのプレゼンを行います。現地でハーバード大学やMITを見学することでモチベーションを高める生徒も多く、在学中に起業した生徒もいます」と言うのは南井秀太教頭。

個性を伸ばす探究活動で
総合型選抜入試に挑む

 また、他校に先駆けて中学から全コースで取り組んできた探究学習の成果が実りつつあるという。中学の探究活動でザリガニに興味を持ち研究を続けた生徒は、「カルシウムがザリガニに与える影響」で高校生国際シンポジウムの文部科学大臣賞を受賞し、慶應義塾大学の総合型選抜入試に合格した。

「興味のある事柄をとことん追究する姿勢を大事にして、やりたいことを探す、個性を伸ばす教育活動に力を入れてきました。探究を通して自身の資質を見いだし、物事を主体的に考える力を育んできたことが、筑波大学やICUなどに総合型選抜入試で現役合格者を出す好結果につながっています」と南井教頭はその意義を語る。主体的な学びを尊重してきた結果、同校初の東京藝術大学の現役合格者を生むなど、進路も芸術系から医学系と幅広く、多様な個性が育つ進学男子校へと進化させた。個性を伸ばす教育と時代にコミットした21世紀型先進的教育の成果が表れ、年々受験者数も入学者数も漸増している。

「伸び伸びとおおらかに成長できる男子校ならではの環境で、規律性や自制心なども育まれています」と、同校OBでもある南井教頭。男子の成長過程を熟知する教員たちが、程よい距離感で生徒を見守る。生徒も参加する学校説明会で中1ながら司会の大役を果たした生徒を教員がハイタッチで迎える姿や、生徒と教員が合格発表を一緒に確認して抱き合って喜ぶなど、アットホームな校風も人気を押し上げている。「子どもを安心して預けられる学校、男子が大きく成長する学校」として、保護者の評価も高い。

2021年に新設された「グローバルコース」では、アントレプレナーシップを学び、海外で発表する。写真はボストン研修での集合写真
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