昭和女子大学附属 昭和中学校・高等学校
真下峯子校長

 現在、昭和女子大学附属は「本科」「グローバル留学(G留学)」「スーパーサイエンス(SS)」の3コースのブラッシュアップに取り組んでいる。

 例えば、各コースのエッセンスを互いに組み込むことで、多様な文化や考え方を多方向から論理的・客観的に分析し、思考し、理解するクリティカル・シンキングを身に付けてもらう。

 また、同じキャンパス内にある昭和女子大学やブリティッシュ・スクール・イン・トウキョウ昭和(BST)などと連携を深め、外部の大学ともつながることで、より充実したコンテンツで生徒をバックアップする。

「自分はこのコースだから、と決めてしまわず、伸び伸びといろいろなことを学んで視野を広げ、社会に貢献できる人になってほしいのです」と真下峯子校長。

 実際、2023年12月に、山田進太郎D&I財団の協力を得て、中2、中3を対象に「STEМ分野のオンライン職業探究キャリア教育プログラム」を実施した際のアンケート調査では、「STEМ系職業に興味あり」と答えた生徒が実施前の約3倍に。「STEМ系職業は女性に向いている」という項目に「はい」と回答した生徒は実施前の約9倍に増えたという。

 他に高1全員を対象にデータサイエンスや生成AIを使った特別授業も実施。本科コースの生徒の理工系分野への関心が高まっただけでなく、SSコースの生徒やその保護者も、従来の理系=医療系という考えから脱却しつつあるという。

「SSコースの生徒のやりたい分野が多様化してきていますので、生徒の希望に合わせ、関連分野の大学研究室と積極的に連携したいと考えています。国内だけでなく、グローバルサイエンスを学ぶ場として、シンガポールの南洋工科大学との提携を構築中です」と、自らが理学部出身の真下校長は熱く語る。

グローバル留学コースの
再ブランディングを実施

 G留学コースは、学びの内容をグレードアップし、コースの再ブランディングに取り組んでいる。

 ①パワーランゲージ:英語・中国語の習得を個別最適化して推進する、など。

 ②探究(KFC(※))活動:「国際教養」で身に付けたベースを基に、KFCチャレンジ(課題解決活動)を実施。「セルフサイエンス」で内面を鍛える、など。

 ③格物致知:授業で「なぜ」を繰り返し、物事の本質を追求する、など。

 これらを3本柱に、海外の大学への進学も目指せる英語力とマインドを育成する。

 真下校長はこう語る。「昭和女子大のグローバルビジネス学部には、世界の労働環境やジェンダー問題などの専門家がいるので、協力をお願いしています。附属校であることも本校の大きな強みです」。

 同校の改革は滞ることなく、よりハイレベルな進化を遂げていく。

※KFC:Know Thyself Find a Way Contribute Others(自己を知り、道を切り開き、国際社会に貢献する)の略

SSコースの生徒がBSTと合同で理科の実験に取り組む様子。2023年度には中3のG留学コースの生徒が2人、BSTへの1カ月留学を実現させた
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