成城学園中学校高等学校
中村雅浩校長

 成城学園は、幼稚園から大学院までワンキャンパスの総合学園。中でも中学校・高等学校の6年間は、生徒が一人の人間として大きな成長を遂げることを念頭に、中1の「海の学校」、中2の「山の学校」をはじめ、さまざまな体験プログラムが用意されている。

 また、高校生を対象に、クラスや学年の枠を超えて同じ興味や関心を持つ者同士が集まる「課外教室」が設置されている。2024年度の企画コースを見ると「世界遺産『屋久島』を遊ぶ」「出雲-神話と妖怪のふるさと」「道南・絶景と歴史に触れ、アートを学ぶ」などワクワクするような企画が20ほど並ぶ。中には「南イタリアの世界遺産を巡る旅~シチリア島周遊とローマ~」のような、海外で実施するプログラムも含まれている。

「『選択授業』(中3対象)や『課外教室』の内容の幅広さが、本校らしさだと思っています。生徒の興味関心が多岐にわたるため、選択肢が自然に増えていくのです」と語る中村雅浩校長。

 もともと国際感覚を養う教育には定評がある成城学園だが、22年度より英語の授業で「グローバルコンピテンスプログラム(GCP)」を導入。国際社会で通用するグローバルマインドセットを身に付け、生徒たちが世界へ踏み出す後押しをしている。中3のオーストラリア短期留学プログラムや姉妹校関係にある米国メリーランド州の名門私立校、マクダナ校との交換留学、そして前述の「課外教室」の海外企画など、実践の場は枚挙にいとまがない。

新たな伝統に加わった
「ゼミナール」

 23年度から加わったのが、高2対象の探究学習「ゼミナール」。興味のある物事の課題と解決策を模造紙1枚にまとめるポスターセッションが行われ、そこで選ばれた代表発表者による最終プレゼンテーションが今年3月に行われた。

「『夏や冬にキャンプ場でよりよくリラックスするには』を、10~80代のアンケート回答を基に、ハンモックやたき火などを体験して考察した生徒、『なぜ舞台の配信を観て物足りなさを感じたのか?』を考え、生での鑑賞との違いは演者と客が実際に同じ空間を共有しているかどうかではと仮説を立てた生徒など、生徒の自由な発想とテーマの広さに驚きました。質疑応答でも生徒が生き生きしていて楽しかったです」と中村校長は笑顔で語る。

 24年度からは高3にも「ゼミナール」が選択科目の一つとして設置されている。同校の教諭のほか、大学生にメンターとして参加してもらい、研究の方向性などアドバイスを得られるようにするという。

「年齢の近い大学生が、『今』の感覚で伝える言葉は高校生に響くでしょう。その効果を期待しています」(中村校長)。ゼミナールは「選択授業」や「課外教室」と並び、同校らしさが発揮される新たな伝統となるだろう。

高2のゼミナール最終発表の様子。金賞・生徒賞を受賞した中来田結衣さんのテーマは「中高生の不読率の現状と解決策」
●問い合わせ先
成城学園中学校高等学校
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