玉川学園中学部・高等部
中西郭弘(かつひろ)中学部長

 玉川学園中学部・高等部では、例年2月末(または3月初め)の金・土に開催している「玉川学園展ペガサス祭」が終わると、卒業式や修了式までの期間を利用し教科にとらわれない「特別授業」を行っている。

「本学園は、町田市で一番大きな事業所ということもあり、さまざまな形で町田市と連携をしています。昨年度は、町田市バイオエネルギーセンターの職員の方のご協力の下、中学2年生特別授業『電気をつくるみらいのカタチを考えよう』を開催しました。テーマは『町田市バイオエネルギーセンターをPRしよう』です。生徒たちはこの日のために最新のエコロジー技術がいかされたこの施設の特徴と魅力を調査し、グループごとにPR。各クラスで選ばれた代表チームが、職員の方の前で発表し、『Ecology』『Energy』『Environment』『Enjoy』の四つの“Eところ”をアピールした班が優勝しました」と中西郭弘(かつひろ)中学部長は話す。

 特別授業は、地域とのコラボ以外にも、キャリア教育を絡めて企業とのコラボや多種多様な職業人の講演など、毎年いろいろな企画が実施されている。「例えば魔法瓶のパイオニア企業であるサーモスとのコラボ授業を行い、ペットボトル削減に向けて生徒たちがプレゼン。生徒たちの斬新なアイデアは、企業の皆さんにも大変好評でした」(中西中学部長)。

 このような機会を頻繁に設け、皆で「集まって、考えて、表現する」ことにより、外部の大人も納得させるコミュニケーション力や取材力、表現力を、早いうちに身に付けることができるのだという。

「インバウンド観光客を迎える鎌倉市の課題」をテーマにした特別授業では、中2生が臆することなく敬意と節度ある態度をもって外国人に英語でインタビューし、引率したネイティブ教員を感激させたこともある。こうした「触れて、感じて、表現する」実践的な教育は、教科だけでは得られない教養や品格を備えた「深みのある大人」を育成。さらに、相手に恥をかかせない粋な立ち振る舞い「玉川しぐさ」を通して「丸みのある大人」に育っていくための後押しをする。

創立95周年の式典は
玉川らしさを歌で表現

 2024年に創立95周年を迎える玉川学園。11月中旬に歌であふれる記念式典を開催する予定だ。

「玉川は『歌に始まり、歌に終わる』といわれています。校歌は毎朝歌いますし、礼拝があるときは讃美歌も歌います。95周年の式典には、幼稚部から大学生までが集い、学齢に合った合唱を披露します。中高生は、ヘンデルの『メサイア』から最も祝祭的な『ハレルヤ』を英語の歌詞で大合唱する予定です」と中西中学部長。

 皆で一つの歌を歌い、心を合わせて音楽を表現する。ここでも「五感を通じて」豊かな人間性や感性を育む玉川流の教育が行われていく。

中2の特別授業では「町田市バイオエネルギーセンター」について調査し、「町田市バイオエネルギーセンターをPRしよう」をテーマに10チームがプレゼンを行った
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玉川学園中学部・高等部
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