千代田国際中学校
木村健太校長

 本来、学校とは生徒たちがこれからの「未来をつくる」ための場所。木村健太・新校長が掲げる教育ビジョンは明快だ。「私たちは、中学生や高校生が、国内とか海外とかの枠を超えた地球レベルでの未来をつくることができると思っています。人類が未だ解決できていない問題を解決したり、まだ存在していない新たな価値を生み出したりすることで、自分もみんなも幸せになる未来をつくることができると本気で信じているんです。具体的には、論文の投稿や学会発表といった形で波及する『アカデミア』、アイデアをビジネスとして展開する『アントレプレナー』、政策の提言や、地域創生、環境問題などの分野における『ソーシャル・イノベーション』の三つのアプローチを想定しています」。

 それらに必要な環境と学びの場が千代田にはある。新たに構築された中高一貫型のカリキュラムに加え、本格的な研究活動や課外活動を通した学びをさらに発展させていく。

「生徒はそれぞれ、意欲も、描く未来像も違います。だからこそ、生徒一人一人の学びのストーリーを作っていく過程が大切」と木村校長は話す。

新校名はシンプルに
「千代田中学校・高等学校」

 2025年4月より校名を「千代田中学校・高等学校」に改称し、「研究」「開発」の2コース制で募集する予定だ。「研究」コースは0→1を生み出す基礎研究や応用研究。「開発」コースには1→10に発展させる開発研究を進めるための環境がある。「本物と共に、本質を捉え、本気で取り組む」ために、第一線の研究者や企業人、医療関係者などを巻き込んだ環境整備を着々と進めている。

 キーワードは「学ぶようにあそび、あそぶように学ぶ」。苦手な教科を克服するような学びだけでなく、適切なサポートがあれば、自分の好きなことや得意なことを深く掘り下げていく過程で、他の分野にも興味を持って取り組めるようになる。「例えば、英語や化学が苦手だが生物学が得意で、iPS細胞を用いて再生医療の分野で貢献しようとする生徒なら、研究を進めていく過程で山中伸弥先生がiPS細胞の樹立を報告した論文を読みたくなる。学術論文は英語で書かれているので英語を学びたくなる。細胞の培養を始めれば、培養液の調製のためにモル濃度を計算する必要がある。すると、モルの概念を学ぶ化学の授業での姿勢が変わるといった具合です」(木村校長)。

 専門性の高い教員を配置することで、生徒の学ぶ意欲を個別最適化していく。「日々の授業が楽しくなければ始まらない。『funny』な楽しさから入りつつ、気が付けば『interesting』な楽しみに到達し、最後は『exciting』なワクワク感にまで昇華できたら最高ですね」と木村校長。生徒を主語にした理想を目指す千代田中学校・高等学校に注目が集まっている。

放課後になると生徒たちが集まってきて楽しそうに実験をし始めた。未来をつくる研究活動と楽しいから始まる学びが既にスタートしている
●問い合わせ先
千代田国際中学校(千代田中学校〈予定〉)
〒102-0081 東京都千代田区四番町11
TEL:03-3263-6551
URL:https://chiyoda.ed.jp