東邦大学付属の建学の精神は「自然・生命・人間」。科学、学問において尊重すべき根源的な問い掛けを表しており、豊かな人間性と高い倫理性を持つ人材の育成を目指す。
「自分を超えたものを意識することで、人は謙虚になることができます」と語るのは松本琢司校長だ。「仲間の個性を認め、共に学び合うことを大切にする学校」でありたいという。
2017年度より完全中高一貫校となり、ゆとりを持ったカリキュラムでプロセスを大切にし、じっくり学びと向き合う。
教育の特徴は、教科の枠にとらわれない教養や知識を育むリベラルアーツ型カリキュラムだ。伝統的に、男女共に7割が理系に進学するほど理系に強い同校だが、「幅広い教養の上にこそ確固たる専門研究が成立する」との考えから、生徒たちは理系・文系の枠にとらわれず幅広い学びを得る。国語では、本の感想を記していく「読書マラソン」を中1~高2で実施。理科では実験レポートの作成、英語では海外とのオンライン英会話やプレゼンといったプログラムが並ぶ。6年間、さまざまな教科で培った思考力や判断力、表現力は、医療職や研究職、専門職など、あらゆるキャリアで生徒たちの糧となっていく。
医療や大学の学問を体験
刺激を受けて進路選択
幅広く深い学びは、机上の勉強だけにとどまらない。「学問体験講座」では大学の本格的な学びを体験できる。例えば東邦大学理学部・薬学部では「漢方薬を作ってみよう」「タンパク質の立体構造を描画してみよう」「リーガル・マインド入門」といった好奇心を刺激するラインアップがずらり。東邦大学医療センター佐倉病院での「ブラック・ジャック セミナー」では外科手術を模擬体験できる。新型コロナ禍の影響でここ数年は中止されていたが、生徒からの人気も高く、近く再開する。リベラルアーツ型カリキュラムの授業や学問体験を通じて、生徒たちはより広い視野から将来に思いを巡らせる。
入学前は暗記が多い理科が好きではなかった生徒が、日々の実験や学問体験講座を通じて、理系の学問に目覚めることも珍しくない。
卒業生の一人である金井宣茂(のりしげ)宇宙飛行士とは、過去に、滞在中の宇宙からの交信で交流した。その際「夢というと実現できないもののように思えるが、夢を目標と言い換えて、そこに向かって着実に努力をしていこう」というメッセージを在校生に送ってくれた。
「金井宇宙飛行士のように志を内に秘め、目標に向かって真面目に努力する生徒たちの力を、学校がさまざまな機会に引き出していければと思っています」と松本校長。
6年間を「自分探しの旅」ととらえ、教員は生徒一人一人が希望する進路の実現をサポート。広く緑豊かなキャンパスが生徒たちの成長を見守っている。
東邦大学付属東邦中学校・高等学校
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