獨協中学校・獨協高等学校
坂東広明副校長

 創立当時からドイツと深いつながりを持ち、ドイツへの研修旅行や第2外国語のドイツ語の授業が充実している獨協中学校・高等学校。中3~高2の希望者を対象とした、伝統のドイツ研修旅行ではベルリン、ハノーファーなどの環境教育施設や学校を視察し、ホームステイも経験する。

「本校は創立以来『ドイツに学ぶ』が伝統です。今も日本がドイツに学ぶべき点は多々あります。環境保護の先進国ですし、欧州で移民、難民を最も多く受け入れている国ですから、移民政策も進んでいます」と、坂東広明副校長は研修旅行の意義を語る。

 2024年度はグローバル教育をさらに強化。これまで高1の希望者を対象としていた海外での約2週間のホームステイを中3の希望者向けにも実施する。英国のロンドン郊外で、実践的な英語や現地の文化を学ぶ予定だ。高1、高2の希望者がニュージーランド・オークランドで3週間、現地校の授業を受ける機会も新たに用意。さらに海外を経験したい生徒は、高2の3学期にもオークランドに留学できる。参加生徒は1人ずつ別々の学校に通うため、必然的に語学力やコミュニケーション力を鍛えられる。「海外に行くと『君はどう思うか』と常に聞かれるので、物事を深く考えるようになりますし、異文化に触れることで価値観も大きく変わります。早くから海外に行く機会をつくることで、精神的な自立も促したいと思っています」(坂東副校長)。

本格的なドイツ語を
中3から履修可能に

 日々の外国語の授業も充実している。中1~高3まで週6時間ある日本人教員による英語の授業のうち、2時間はディスカッションやインタビューなどのアウトプットに充てる。英文を暗記して音読する発表会やスピーチコンテスト、プレゼンテーションなど、大勢の前で発表する機会も豊富だ。「異性がいないこともあり、恥ずかしがらずに身ぶり手ぶりを交えて堂々と発表する生徒ばかりです。英語を使ってコミュニケーションすることは楽しいと思って、自信を付けてもらえればうれしいですね」と坂東副校長。

 選択科目の第2外国語・ドイツ語の授業は高1から前倒しし、24年度からは中3でも履修できるようになった。高3まで学べばドイツの大学に入学するレベルまで達することも可能で、校内には24年度の「国際ドイツ語オリンピック」の日本代表に選ばれた生徒もいる。

 ドイツとのゆかりもあり、医学部への進学率が高いことでも知られる同校。獨協医科大学との高大連携も行われており、コロナ禍が明けたことを受け、今年度から大学での臨床体験も始まる。

 穏やかな生徒が多く、「上品な人格」を形成する校風が息づいてきた獨協中学校・獨協高等学校。近年はさらに、勉強や部活、課外活動でも実力を発揮する「力強さ」も加わってきた。

ドイツでの研修旅行では、現地の学生と議論を重ねる。テーマは生徒の希望で年ごとに決まり、環境問題や動物の殺処分など多岐にわたってきた
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