三輪田学園中学校・高等学校では、生きていく上で必要なスキルを「盾」、好きや得意で自分を伸ばす学びを「矛」とし、この両者を中高6年間でしっかり身に付けられるカリキュラムを組んでいる。「『盾』となるのは使える英語とICTスキルです」と語るのは荒川容子中学教頭だ。
英語は習熟度別授業を行っている。eラーニングシステムやオンライン英会話も導入し、中学で英検準2級、高校で2級以上、IELTS(アイエルツ)5.5以上の取得を目指す。
模擬国連では2年連続で全国大会や国際大会へ出場するなど対外的にも成果が出ている。
ICTスキルは、時代の変化に合わせて教育も変化してきたという。当初はiPadのインターネット利用に制限をかけていたが、現在は「生徒の自己責任で必要だと思う学習アプリを入れさせています。危険性を学んでから使うことで、生成AIなども使いこなせるようになってほしいと考えています」(荒川教頭)。
一方、「矛」となるのは探究学習だ。同校では中2、中3を対象としたMIWADA-HUBを設定している。同校がある市ケ谷界隈(かいわい)の史跡を巡る歴史周辺散歩「ブラみわだ」など、九つの講座から前期・後期で興味・関心のある講座を選び、情報収集・整理分析・発表を行う主体的・対話的な学びの時間となる。
高校では教科の枠を超えて、一人一人が主体的に課題を見つけ、探究を深めるMIWADA-LABへと発展する。
「両方とも本校オリジナルの探究プログラムです。中学でHUBを経験した生徒は高校でも積極的に動くことができます。例えばジェンダー問題に関心がある高2の生徒は、『自分の学校では早くからスラックスを導入しているが、導入する学校としない学校の違いは何なのか』というテーマで調査・研究をしています。『探究』をはじめ、『哲学対話』や『読書』などを通じて、6年間かけて自分が興味・関心のある、もしくは得意な分野を見つけ、伸ばしてほしいと思います」(荒川教頭)
学校が好きな生徒が多数
参加する広報委員会・МGP
同校の創始者、三輪田眞佐子は人間教育を推進し、学問が女子を幸せにすると説いた。同校には学校が好きで誇りに思っている生徒が多い。そんな生徒有志による広報委員会・МGPが、生徒主催で学校説明会を運営している。「実際、オープンスクールなどで『先輩が優しいことが入学の決め手になった』という生徒がとても多いのです」と荒川教頭。誠実な人柄と前向きさは大学にも評価が高い。特に近隣の法政大学とは高大連携講座の開講、30人の協定校推薦枠、授業の聴講および法政大入学後の単位認定などの協定を結んでいる。「23年度は東京女子大や津田塾大とも連携をスタートしました。生徒には外とつながりながら、伸び伸びと学びを深めてくれることを願っています」(荒川教頭)。