グローバルな視点を有する生徒の育成を目指して、2023年度から異文化理解プログラム「BUNAN INNOVATION」を始動した。思考力や判断力を育む独自の英語教育に加えて、世界の諸問題を考えるため、中2でアジア研修旅行、高1で米国研修旅行を実施する。
英語科の神殿(こうどの)朋宏教諭は、「中学では英会話の授業を10人程度の少人数で展開。土台づくりではフォニックスを重視し、英語の正しい発音を学びます。発音が正しければ、スペルも正しく書ける。高校では、英字新聞や雑誌からさまざまな話題を取り上げ、それらについて論理的に思考し、発信する力を鍛えていきます。英語によるディベートやプレゼンテーションの機会も多く、生徒たちは発話を主体に異文化を理解していきます」と話す。アジア研修旅行では、ベトナム・カンボジアを訪れてアジアの勢いを実感、同年代の子どもたちとも交流する。16日間の米国研修旅行では、ボストンで約1週間のホームステイを経験、マサチューセッツ工科大学やハーバード大学を訪問し、現地の大学生とも交流する。
中学主任の国語科・津島亜沙子教諭は、「海外研修の締めくくりとして、高2で京都・奈良の古都研修を実施します。海外の文化や生活を学んだ上で、日本という国や日本人を見つめ直してほしいと考えるからです。海外研修では短い期間ながら、生徒たちはリスニング力を向上させ、英語を勉強するモチベーションを高めて帰国します」と説明する。
“壁のない”空間で
6年間伸び伸びと過ごす
異文化理解とともに同校が力を入れているのが、埼玉大学STEM教育研究センターとの協同研究で行う「B-STEM」である。同センター代表の野村泰朗准教授によるプログラミング授業や、教科横断型の授業(数学と理科、英語と国語など)を実施している。
数学科の佐藤寛教諭は、「プログラミング授業では、段ボールで作った車にプログラムを組んだ機械を載せた自動走行する車を作成しました。思うように動かないなどの困難にぶつかると、周りの生徒と相談したり、教員に質問しながら調整を重ねます。自ら問題を発見し解決へと進んでいく姿勢はとても真剣で、生徒たちは教員の想定以上のアイデアや意見を出してきます」と話す。
また、各教室は壁がなく開放的で、フロア中央には可動式の机や椅子が置かれた「ラーニングコモンズ」がある。
遠藤修平校長は、こう語る。
「職員室もオープンな造りで、生徒たちは“壁のない”空間で伸び伸びと過ごします。幅広い教養を身に付けるため、理科・美術・伝統芸能の鑑賞など多彩なフィールドワークも実施しており、教育のオプションが多い。生徒と教員は皆友好的ですし、大きな“家族”のような学校です」
武南中学校
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