対話で他者を理解する
「世界標準の教育」の実践

「世界標準の教育」を掲げる同校は、対話による他者理解にも力を入れる。中学の道徳の授業「コスモ」は吉野校長が開発したプログラムがベース。「人との関わりや情緒的な部分を深く掘り下げ、自分と異なる価値観を理解し、対話する基礎をつくります」(吉野校長)。

授業では対話を重視、討論やプレゼンテーションを重ね、論理的思考やコミュニケーション力を身に付けていく。通常の授業でマインドマップなど思考を整理する手法を活用。課題を整理し、解決する力を育む

 哲学対話のアプローチで、生徒の思考を深めるサポート役「メンターAI」の導入も計画中だ。「『それはなぜですか』『逆の立場で考えてみませんか』と問い掛けるAIを生徒が自作し、それを探究学習に取り入れたい。教員だけでは対応し切れない部分をAIが伴走することで、生徒が自問自答して理解を深め、自ら行動できたら」と川上教諭は期待を寄せる。

2022年に完成した校舎「アルカディア」。都心部・港区のオフィス街に立つ

 こうした取り組みは、芝国際が実践する「世界標準の学び」の土台となる。各国の代表となって課題解決を探る「模擬国連」では、中2がプレゼン力や論理的思考力、交渉力を活用しながら、価値観の違いを尊重し合意を目指す経験をする。