「確かな学力」を育む環境
生徒に浸透「なぜ」の文化
「確かな学力」の確立を目指した体制も充実している。「チェック&フォロー」という仕組みを設け、自学自習の習慣を身に付け知識の抜け漏れを防ぐようにしている。放課後は理解を定着させる「芝国際塾」、高校からは大学受験を目標にした「芝国際予備校」を設けている。

「高校では中間・期末などの定期試験を廃止し、生まれた時間を大学入試対策の演習や授業に充て、理解度は単元テストや模試で把握しています。大学受験のための学習は、校内で完結できる体制が整っています」と川上教諭。

開校当初からグローバル教育にも力を注ぐ。英語ネイティブの教員は25年度、20人に増員。数、理、社の授業を英語で受けるクラスもあり、文献を読み込み、意見を伝える英語を育む。川上教諭によると、ベネッセの英語検定「GTEC(ジーテック)」で、1000点を超えた高校生の割合は、24年度は全体の3分の1、中学でも2年生終了時に英検準2級以上の取得者が半数近くいたという。海外研修は語学学習から大学の専門科目を学ぶものまで約15コースを用意している。海外大学進学に向け、外部の専門家を国際部長に招くなどサポートを強化している。

開校3年目、校風も醸成されつつある。
「やりたいことが明確な生徒が多く、大人の期待を察して動くような生徒は少ない。掃除一つでも『なぜ必要か』を求めてきます。教員もその都度理由を言語化する力が求められます。この『なぜ』を繰り返すカルチャーこそ芝国際が目指すものです」と吉野校長は言う。
「枠を超える」ための挑戦、行動、突破の姿勢を育む場が、着実に広がっている。