熱意ある教員の授業力が
生徒の学習意欲を高める

 特に保護者からの評価が高いのは、学力を伸長させる「学校完結型」の学習システムを整えていること。実際に、塾に通わずに難関大学に合格している生徒も少なくない。大切にしているのは、学習習慣と基礎学力の定着である。例えば中1~中2は、週4回、英語と数学のテストを朝15分間行い、理解不足の生徒には放課後の補習が課せられる。英語と数学は単位数が多く、積み残しが出ると受験への影響が大きいからだ。補習になると部活動にも支障が出るので、生徒たちはプライドもあって必死に取り組む。

第14回高校生バイオサミット in 鶴岡(慶應義塾大学主催)で「山形県知事賞」を受賞した生物クラブのメンバー

 また、年5回ある定期試験前の1週間は「独習ウィーク」とし、学習計画を立てて、朝と放課後の時間を学びに充てる。年3回の学期末テスト後は「独習デー」があり、定期試験や到達度テストの結果を受けて、自らの弱点克服に向けた学習計画を立てて実行する。

 高校の後半になると、大学入試演習が中心の放課後進学講座や進学合宿、志望校別の夏期講習や冬期講習、大学入学共通テスト模試演習など、手厚いサポートが提供される。

 安田学園が強みとするのは、こうした日々の学習への地道な取り組みと、熱意ある教員たちの授業力だ。

「授業力の向上を目的に、私自身が全教員の授業を年間通して見学しています。特に若手教員の授業力は高く、アクティブラーニングやグループワークなどの実践を通して、生徒を巻き込んだ主体的な学びの場が広がっています。クラス対抗の英単語コンテストなどでは、担任の熱意が生徒の学習意欲をさらに高めています。教員の研修制度や新任教員の育成にも力を入れており、最近では卒業生の教員採用も進めています」と稲村校長は語る。

生徒の主体性を尊重した
学校運営を実現する

高1・2の希望者が参加した米国・ニューヨーク研修。春休みの7日間を利用して実施。国連本部(写真左)訪問はじめ、世界を感じる刺激的な日々を過ごした

 安田学園では、グローバル教育にも余念がない。英検取得の積極的なサポートや、ネイティブ教員の授業を多く取り入れた英語授業を実施するほか、異文化理解のためのグローバル体験を奨励している。高2のオーストラリア修学旅行のほかに、語学研修や各種留学を用意、25年の春休みには希望者による米国・ニューヨーク研修を実施した。

夏休みと冬休みに行う韓国との交換交流プログラム。韓国の同世代と異文化理解を深める