高校ではラボ形式の探究
修学旅行では離島を探訪

 高校に進学すると、ラボ形式での探究がスタートする。同校教員の他に大学教授や企業の専門家が加わり、より専門性の高い探究活動が可能になる。生徒は自分の関心に応じてラボを選ぶことができる。例えば、ドローン会社との協働による実技活動や、板橋区の教育科学館とのコラボなどを実施。2025年度は、新たに高齢者施設と協働するラボを立ち上げ、「高齢者に学びを届け、共に生きる」活動も予定している。

探究では外部へも積極的に出ていく。板橋区のドローンフィールドでのドローン飛行実験

「ラボではグループ活動も可能で、生徒同士が役割を分担しながら進める協働的な学びが生まれています。またラボ内での先輩と後輩のつながりも強まり、上級生が下級生にアドバイスを送るなど、縦の関係性も育まれます。高1はポスター形式で全員が発表、高2はスライド形式で発表を行います。発表会にはゲストも招待され、生徒たちのプレゼンテーションに対してプロの視点から講評が寄せられる。生徒たちにとって大きな刺激と達成感になるだけでなく、学校全体として“学びの可視化”を実現する重要な場となっています」と黛校長は語る。

高校ではラボ形式で発展的な探究学習を実施。大学教授や企業人にも指導を仰ぐ

 修学旅行も探究学習の延長線上にある。25年度から、長崎県・五島列島の地域課題に取り組む実地型修学旅行が導入される。生徒たちは、島ごとの課題(過疎化、観光振興、漁業など)をテーマに探究を行い、事前にオンラインで島民と交流しながら課題解決に向けた提案を練る。現地では民泊を基本として、島の人々と生活を共にしながら課題に向き合う。旅の最後にはプレゼンテーションを実施。実際に課題を体感し、解決策を提案するというプロセスを通じて、都市生活では得られない視点を養う。