開かれた学校運営、生徒の
意志を尊重する進路指導
黛校長が大切にしているのは、教員と生徒の信頼関係だ。校長自身、昼食を生徒と共に取るなど、日常的な接点を大切にしている。校長室には「Welcome」の札を掲げ、悩み相談や提案なども自由にできる雰囲気がつくられている。教職員に対しても「リスペクトの精神」を重んじ、上から目線ではなく「一人の人間として接すること」を求めている。

「校訓の『知性と敬愛』に基づいて、『敬愛』を学校全体で再認識し、日常の挨拶(あいさつ)から始まり、掃除や教室環境の整備など、基本的な生活習慣を重視しています。また25年度から、無記名の生徒・保護者・地域アンケートを実施します。登下校マナーをはじめ、授業や行事などに関する意見を集め、改善につなげていく。アンケートの結果は校内だけでなく外部にも公開し、透明性の高い“開かれた学校運営”を目指したい」(黛校長)
高校からは、生徒の多様な未来に向けて三つのクラスを設定している。国公立大学や難関私立大学を狙う「A特進クラス」、日本大学への進学を中心とする「N進学クラス」、理数分野に進むための「理数Sクラス」。例年、日本大学へ進学する生徒は5~6割ほどだ。

進路指導の基本は、生徒自身の“行きたい大学”への進学を実現させること。日本大学は、理工学部や生産工学部、生物資源科学部や薬学部などの学部が充実しているため、理数系の分野へ進学する生徒も多い。24年度は「酪農家になりたい」という夢をかなえるため、国立の帯広畜産大学へ進学した生徒もいた。生徒の意志を尊重し、偏差値やネームバリューにとらわれない進路指導を心掛けている。

「『0to1』は、単なるキャッチフレーズではなく、教育理念の核心です。今の中高生が大人になる頃は、まだ解決されていない課題は山ほどあるでしょう。未知の課題に果敢に挑み、他者と共に未来をつくる。そのための力と勇気を本校の6年間で育てます」と黛校長は力強く語る。

日本大学豊山女子中学校・高等学校
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