青稜中学校・高等学校
青田泰明校長

 青田泰明校長は2025年度に就任6年目を迎えた。着任当初に中2だった生徒たちが25年春に卒業を迎えて巣立ち、国公立大38人、早慶上理ICU175人合格という大学進学実績を残した。青田校長の下で展開されている教育施策が花開いたかたちだ。

「進学実績だけが教育の全てではありませんが、多くの生徒が自分の行きたい場所に進むことができたのは、大きな成果でした。“希望進路の実現”というスローガンが、まさに形になったと感じています。校長就任以来“挑戦すること”を教育の柱として掲げてきました。この言葉を繰り返し伝えてきた結果、今では生徒たち自身が“挑戦が大事”と語るようになっています。学校としても毎月何か新しい試みを行い、失敗しても構わないというスタンスを保ち続けてきました。そうした姿勢が“この学校は本当に挑戦していいんだ”という安心感を生徒たちに与え、一つ上の希望校にチャレンジする進路選択ができるようになったのだと思います」。青田校長は、着任以来の5年間をそう振り返る。

陽光が差し込み、どこからともなく風が通るアトリウム(中庭)。放課後はダンス部などの活動に使われている

 挑戦が根付く背景には、心理的安全性の担保が必要だ。青田校長は、生徒や教員が自分の意見を自由に述べ、それが否定されずに受け止められる環境づくりに努めてきた。生徒からの提案が、実際に校則や行事の改善につながることで、信頼感が醸成されたのだ。