女子大の存在意義
――大学の出口である就職実績と同じで、中高でもやはり進学実績を出していくことですね。
坂東 はい。附属中高では国立や医学部など難度の高い大学へのチャレンジを積極的に応援していきます。昭和女子大の推薦入学を確保した上で難関大学にチャレンジできる制度を活用してほしい。中高生にとって、選択肢は多い方がいいですから。
長い人生です。目の前の受験の結果が最後にその人の人生にどうつながるかは、受験の合否ではなく、進学した先でどれだけがんばるか、どれだけ成長するか、が大事です。
昭和女子大でも、早慶上智を目指していたが受験に失敗し、第3志望、第4志望で入学したという学生がいます。そういう学生たちが、しっかり勉強し成果を上げることで、大学自体の教育レベルを引き上げています。難関大学にチャレンジし失敗しても、その経験は進学した大学で必ず生かされます。昭和女子大でリベンジできるよ、ダブルディグリーを取って第一志望の大学へ入った同級生を見返してごらんと。
――100周年記念では何か行いましたか。
坂東 新型コロナ禍で小規模でしたが式典を開催しました。また、女性活躍をいかに実現するか議論する記念シンポジウムも実施しました。この100年間の歴史を振り返って、これからどういう新しい100年に踏み出すのかという方向を宣言しました。キャリア教育とグローバル志向に加えて、これからは生涯学習に向けて大学院に社会人の方に来てもらえるような大学にしたい。それから、大学でもデジタル・リテラシーを持つよう力を入れていきたいと思います。
――女子大の存在意義がそろそろ尽きるのではないか、みたいなお考えはありませんか。
坂東 日本で男女共同参画が完全に実現して、女性もそれぞれきちんと能力が発揮できるような社会になれば女子大の使命はなくなるかもしれません。まだ残念ながら、女性だから越えなければならない課題や困難があります。それを乗り越えるために女性にこそ気力、知力、スキルが必要だから、当面女子大の存在意義があると信じています。
9つ目の問いに対する坂東氏コメント内:(学校法人昭和女子大学理事、特任教授)→(学校法人昭和女子大学副理事長、特任教授)
(2021年1月27日10:25 ダイヤモンド社教育情報)