中身の濃い授業と厳しい生徒
――今でも女性の先生が多いのでしょうか。男性の専任の先生が進路指導担当の1人だけの時もあったと聞いたことがあります。
齊藤 確かに93人いる教員のほとんどが女性で、OGがそのうち3割ほどいます。男性の教員は、以前も講師を含めれば5人ほどいましたし、現在も専任だけで8人いらっしゃいます。
――英語の時間を増やすなど公立校との差別化を図る私学も多いようですが、こちらではいかがですか。
齊藤 他の科目もきちんと決まり通りにやっていたら、そんなに時間が取れるはずはないので、どうやったらそんな時間を生み出せるのかという感じですね。
本校の英語科の教員に言わせると、桜蔭のような授業を週8時間もやっていたら、生徒は予習・復習が大変だ、というくらい充実しています。
――ネイティブの先生をたくさん用意してという保護者からの要請も大きいという学校もあるようですが。
齊藤 ネイティブの先生はいらっしゃいますが、うちではあまりそういうことはないです。生徒は着々と自分たちで英語の力をブラッシュアップしています。高1で英検1級とか、特に海外に行っていない生徒でも取っていますし。これまでも中3からGTECの4技能付を実施、今年から高3が検定版を受検します。
各教科で複数の教員で担任します。そのため採点基準を設けるのも結構大変で、ものすごい手間をかけてやっています。
本校の生徒は厳しいですよ。教える側がちょっと自信のないことに対しては確実に質問してきます。古文など解釈が分かれ、一つのことに決まらないこともたくさんありますので、そんなときには「ちょっと調べさせて」といって、次の時間に「こうも言えるし、こうも言える。今のところはこっちで考えていいかな」と説明すると納得してもらえます。
――初任者の先生は大変ですね。
齊藤 でも、生徒もそれなりに遠慮して、若い先生には優しいようです(笑)
※第2回に続く