かつては共学化の検討もあった
草間 今年の進学実績にある程度貢献し、生徒も感謝していて、先生方には大変だったのが5教科で行っている添削指導です。以前は紙ベースで、入試問題や課題を解いたものを先生の所に持ってきたり、ファックスで送ったりしていました。
現在はClassiなどを使っています。生徒は答案をスマホなどで写して送信し、それを先生が添削して返信しています。多い教員は6000枚を超えたと言っていました。
――高校の担任を持つと、際限なく対応することになるのですか。
草間 元日に、「あけましておめでとうございます」と添削の課題がClassiで届いた教員もいたようです。3月の国公立後期試験の前日まで対応していますね。それでも生徒から、「答えだけでなく、ちょっとした励ましの言葉がすごく良かった」と言われたりすると、先生方も、苦労してやった甲斐があります。
また、3月18日正午前に卒業式は終わりましたが、多くの生徒や保護者が4時くらいまで残って、先生方と一緒に写真を撮ったり、色紙を書いたりしていました。教師に近いという意味で、「師近距離」などと言っていましたが、実際、生徒と教師の間の壁がないです。
――灘では、高3の担任をやるとしんどいので、翌年は中1の担任にという流れになっていますが、こちらではいかがでしょう。
草間 年によってさまざまです。昨年度の高3の7人の担任のうち4人の先生は高1へ、残りは中3と中1の担任に就きました。担任を明けた先生はゼロでした。
――県立高校の場合ですと、3年間ですが。
篠塚 基本的に担任は持ち上がりです。
草間 本校の場合は、6年間担任を持ち上がる教員や、担当科目などの関係で途中で交代する教員がおります。
――ところで、世田谷区では、近くにある目黒星美学園が23年から共学化してサレジアン国際世田谷になります。本校にも共学化をするという話はないですか。
草間 もう20年くらい前になりますか、学校法人から共学化に向けどうするか、検討するように言われました。しかし、男子校を継続することに決定し、その後に男子校仕様の新校舎が完成しました。したがいまして、現時点では、共学化は考えていません。