入塾後に親がしっかりとやるべきこととは?

中学受験にかかる費用

 これ以外にも家からのアクセスや費用など、考えるべき検討材料はある。

 中学受験の塾に通うのは小学3年生の2月から3年間が一般的だ。学年が上がるにつれ、家庭教師や個別指導塾を追加する家庭もある。受験を迎える6年生になると、通塾日数はもちろん、家での学習時間は各段に増えていく(図表1)。

 費やすのは時間だけではない。小川氏によると、首都圏の大手塾に3年間通う場合にかかる費用の平均総額は21250万円。苦手科目の補強など目的を絞って利用することが多い個別塾でも3年間の総額平均は120万円だ(各塾のHPで公表されている金額〈22~23年の資料〉を基に算出)。

 これだけのコストと時間をかける以上、家族でよく考えた上でわが子がしっかりと勉強に取り組めるように、中学受験のパートナーを選びたい。

 さらに大事なのは、入塾後に親がきちんと塾の講師と関係を構築していくことだと小川氏は強調する。

「塾との関係は入塾後に決まる要素も多い。人の出会いと同じですよね。元々の相性より、出会ってからどう関係を築くかも重要です」

小川大介氏顔写真
小川大介(おがわ・だいすけ)
教育家。才能タイプ子育て研究所所長。京都大学法学部を卒業後、中学受験個別塾を創設。コーチングと学習タイプ分析を融合した独自ノウハウで受験学習、幼児からの能力育成、子育て支援で実績を重ねる。執筆、講演、教育系企業への助言など幅広く活躍中。
西村 則康氏顔写真
西村則康(にしむら・のりやす)
中学受験のプロ家庭教師「名門指導会」代表。中学受験情報局 主任相談員。40年以上難関中学受験指導をしてきたカリスマ家庭教師。開成、麻布、桜蔭などの最難関中学に2500人以上を合格させてきた。近著に『受験で勝てる子の育て方』(日経BP)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※次回「今の塾は合わない…中学受験の「転塾」で入念にチェックすべきたった一つのこと」は10月21日公開です。